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蒼炎の魔術師 〜冒険への飛翔〜  作者: 葉暮銀
冒険への飛翔編
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第152話 平民と貴族の恋

 毎日、僕とミカは学校の食堂でお昼ご飯を食べている。

 そして毎日毎日マミが食堂で僕に絡む。さすがに嫌になってくる。

 研究所の職員はお昼の食堂にはあまり出向かない。学生がいっぱいいるからだ。

 しかし食堂は出前をしてくれる。僕とミカも出前をお願いしてヴィア研究室で食べる事にした。

 サイドさんにマミと言う一回生から逃げていると話して了解を得た。


 この日もお昼は食堂から出前を取っていた。

 出前を持ってきた人物に唖然とした。そうマミだった。


「こちらがご注文の日替わり定食2つになります」


 声の出ない僕にマミが言う。


「アキ先輩、最近食堂で見かけないからどうしたのかなって思って。アキ先輩の魔法実技の授業が研究所のヴィア主任が担当してるって聞いてきたので、食堂の出前を持って行くと頼み込んで来ちゃいました」


 マミと言う人間を甘くみていたかもしれない。

 そう思って愕然としている僕の横からサイドさんがマミに話しかける。


「キミがマミくんかな? 蒼炎の魔法に興味があるんだって。それは良い事だね。あれは未知の魔法だよ。さぁ良かったらこちらにおいで、蒼炎のデータがたくさんあるから」


少し黒い笑顔のサイドさん。


「え、あ、はい?」


勢いに負けて、研究室の奥に連れ込まれるマミ。

ヴィア主任が僕に口を開く。


「ちょうど雑用が欲しかったんだよ。あのマミって子も可哀想に。ああなったらサイドは逃がさないよ」


 僕は助かったのか……。

 助かったようだ。

 ありがとう兄貴!


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 ウルフ・リンカイからの手紙を読んでから【白狼伝説】を改めて読み返した。


 赤色の髪色で魔法の研究成果で髪色が白くなり、強い白炎の魔法を操る主人公のウルフ・リンカイ。

 風の魔法を幾千も操るエルフのソフィア・ウォレール。

 パーティの頭脳であり天才の名を欲しいままににするカフェ・ウォータール。

 寡黙だがその強い意志が度々パーティを崩壊から救うガラム・アイアール。


 何回読んでもワクワクしてくる。

 今回注意して読んだのはモンスターとの戦いのシーンだ。

 手紙に【君の手助けになると思って、俺達の戦いの記録を残す事にした】と書かれていたからだ。

 数千にも及ぶ魔物の大群と戦うシーン等は臨場感に溢れ、感動してしまう。まさに魔物と人間との戦争である。

 数多くの戦闘シーンはかなり描写がしっかりしている。ところが最後の敵である黄龍との戦いはあっさりと勝ってしまう。

 これはどういう事?

 黄龍は本当に封印されているの?

 もし倒して欲しいというならこれでは参考にならない。

 やはり一度ボムズに行って、古い【白狼伝説】を読む必要があるな。

 ヴィア主任とサイドさんはアクロとボムズのBランクダンジョン制覇をしていない。

 今年の夏はアクロの水宮のダンジョンとボムズの火宮のダンジョンを回る予定だ。

 皆んなでAランク冒険者になるためだ。

 その時にボムズで【白狼伝説】を見せてもらえば良いか。

 僕がボスイフリートに通用するのか試すチャンスだ。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 4月から7月の間は蒼炎の魔法のコントロールについて実験していた。

 ワザと的を外しても蒼炎は曲がらない。そのまま真っ直ぐに進む。

 これはダンジョン内でオークを相手にしても同じだった。

 結局、金宮のダンジョンのボス戦以降、蒼炎は曲がっていない。今後の課題の一つだ。


 トウイとシズカは休みの日に精力的にダンジョン活動をしている。

 だいぶ屠殺場ダンジョンで安定して戦えるようになっているみたい。2人の間の距離も近くなり、気安く身体を触れ合っている。


 トウイの恋は成就するのかな?

 シズカも満更じゃ無い感じだ。

 平民と貴族の壁はあるが、今どきそれくらいは乗り越えられない壁ではない。

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