お引越し
ギルド長との話が終わり買い取りの個室にナギさんと一緒に戻ってきた。
マジックバッグから今日の収穫の魔石を出す。D級魔石を52個。計算すると
ギルドポイント 520,000
お金 1,560,000ミラ
Bランク冒険者になるまでは全て僕にギルドポイントを加算する事になる。お金も面倒だからそのまま入れてもらおう。
その旨をナギさんに伝えた。ナギさんは僕のギルドカードと魔石52個を持って処理に部屋を出た。
ミカが申し訳なさそうにこちらを見て話しかける。
「ねぇ。本当に良いの。60日間、同じところでダンジョン探索になるよ。アキくんが嫌ならどこか違う街に移動しても良いよ」
「いや、今回の事は良い教訓になったよ。何もしてないのに貴族から難癖をつけられた。僕はファイアール家を家出している状態だから今後こういう事が起きても大丈夫なように早くBランク冒険者になるよ。そのあと世界のあちこちで冒険しよう」
「無理してない?」
「無理はしてないね。Bランク冒険者になる事は絶対必要な事だから」
ミカと会話していたら処理を終えたナギさんが帰ってきた。
「言われたとおりギルドポイントとお金はアキさんのギルドカードに入れておきました」
「ありがとうございます」
「それではこれから引越しをしましょうか?まずは荷物を取りに安らぎ館に行きますね」
まずは安らぎ館に行って荷物をマジックバッグに入れていった。こないだの買い物で少し荷物が増えていた。
安らぎ館を出てナギさんの後に続く。
「家はどちらにあるんですか?」
「西門のすぐ近くのにしました。冒険者ギルドも近いし、沼の主人ダンジョンも近いですから。衛兵の詰め所も近いですよ」
いろいろ考えてくれてるようだ。数分歩いて一戸建てについた。日当たりも良いし、小さな庭もついている。煉瓦造りの家は冒険者ギルドの建物にそっくりだ。
中に入ると4人ほどが使えそうなリビング。使いやすそうなキッチンもある。部屋は4部屋あるそうだ。通常パーティに貸す場合が多いので4人が住めるようになっている。そしてなんていってもお風呂付き。お湯が出る魔法具がついている。
結構な家賃がする予感がする。
「ナギさん、家賃はいくらですか?」
「今回はアキさん達に対する先行投資です。食材や生活雑貨も無料です」
マジックバッグに続いての先行投資。気がついたら雁字搦めで抜け出せなくなってたりして。大人って怖い。
「お二人は料理できますか?」
このナギさんの質問にミカと2人で勢いよく首を振る。
「大丈夫ですよ。それなら私がBランク冒険者になるまで料理などの家事をしますね。どうせなら一緒に住んで良いですか?私の家は北門の近くで通うの大変なので」
「許可なんていりませんよ。こちらこそよろしくお願いします」
「それでは私もお泊まりセットを持ってきますね」
「あ、ちょっと待ってください。マジックバッグを持っていったほうが楽ですよね。今中身を取り出しますから」
中身を空っぽにしてからマジックバッグをナギさんに渡す。
「ついでに食材も買ってきますので少し時間がかかるかもしれません。夜の食事は作りますから期待していてくださいね」
そう言ってナギさんは家を出ていった。
空は夕空になっている。
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