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蒼炎の魔術師 〜冒険への飛翔〜  作者: 葉暮銀
王都センタール編
380/484

第66話 奴隷兼保護者【ミカの視点】

【第62話〜第65話のミカの視点】


 リンカイ王国首都センタールには美しさと汚さが混在している。

 城壁は荘厳であり、その内側は美しい街といってよい。

 しかし城壁の外側は整備がされておらず、掘立て小屋があちこちに見かけることができる。

 人口の増加に街の整備が間に合っていないのだろう。

 ただ、街の活気は凄い。さすがリンカイ王国の首都だけはある。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 センタールの冒険者ギルドの第一印象は最低だった。

 愛想のない店員に、柄の悪い冒険者。

 都会の人間はこんなものなのか。

 アキくんは我慢していたが、それにも限度がある。私はアキくんのお許しを得てから、柄の悪い冒険者3人を冒険者ギルドから追い出した。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 センタールの冒険者ギルドのギルド長であるビングス・エアードとの会合は最低だった。

 ビングス・エアードは名前と髪色からエアール公爵家の分家の貴族だろう。

 話しながらチラチラ私の胸や脚を盗み見てくる。

 本当に気色が悪い。どうして男性はこういう視線に気付かれるってわからないのだろうか?


 それからビングスが連れてきたパメラとの怪しい雰囲気。

 ビングスはアキくんと話しながら、パメラのお尻を撫で回していた。

 この2人は完全にできているじゃないか……。

 コイツらは来客中に何をしているんだ。頭がお花畑の行為。こんな人がトップの冒険者ギルドには近寄らないほうが無難か。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 冒険者ギルドの用意した屋敷に案内されると、私の警戒警報が頭に響き渡る。

 これは駄目だ。ここはアキくんに危険過ぎる。


 アキくんに私の懸念を伝えると、アキくんはすぐにこの屋敷を出る選択をする。

 即断即決できるのは冒険者として必要な要素だろう。こんなご主人様に仕えられる私は幸せだ。


 明朝にギルド職員のパメラに有無を言わせずに私達は屋敷を出た。

 少しアキくんが不安そうな顔をしている。ここは私が頑張らないと駄目ね。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 満員の宿では思ったとおり宿泊を断られた。早速、宿の責任者を呼んでもらう。

 少し待つと年配の男性が現れた。

 年配の男性は私の奴隷のあかしであるチョーカーを見て全てを察したようだ。


「初めまして。支配人のベーカーと申します。よろしければ、身元を教えていただけないでしょうか?」


「ファイアール公爵家長男であるアキの奴隷のミカと申します」


 ベーカーは眉を少し上げてこちらを見る。


「Bランク冒険者であるアキ・ファイアール様でしたら、泊まるところは冒険者ギルドが用意されるのではないですか? 私達の宿に御用があるとは思えませんが……」


「通常ならそうなんですけどね。今回は普通じゃなかったってこと。それで私達は泊まれるかしら?」


「最高級の部屋でしたらご用意ができます。そちらで宜しければお泊りいただけます」


「じゃ、それでお願いします。それと教えて欲しいことがあるので、あとで部屋まで来てくれるかしら?」


「了解致しました。我が宿としましても、高名なアキ・ファイアール様にお泊まりいただけるなんて光栄です」


 私はすぐにギルドカードで宿泊料金を払う。

 部屋に通されると驚いた顔をしているアキくん。事情を説明すると納得していた。

 私も少しはアキくんの役にたったかな?

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