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ギルド長との会話2

「アキに来てもらったのには理由があってな。今朝、ウォータール公爵家の執事から通告があってな。ウォータール公爵家として冒険者ギルドにお願いをしたいって事だ。今後、冒険者ギルドで最年少Dランク冒険者の魔石を買い取る事を止めるようにってな。お願いと言うより半分脅しのようなもんだけどな」


そこまで話してギルド長はお茶を一口飲んで言葉を繋いだ。


「お前らウォータール公爵家になんかしたのか?ウォータール公爵家の執事に聞いても恥をかかされたとしか言わないんだよ」


隣のミカをみると真っ青な顔をしてる。膝の上にはキツく握られた拳が震えている。僕はミカの拳に手を重ねる。

こちらを見るミカの目の奥には怯えが見える。僕は努めて冷静な声でミカに話しかける。


「大丈夫。何も問題は無い。こちらには何の非もない。納得できなければこの街を出るだけだから」


涙が浮かぶミカの目を見つめ安心させた。

ギルド長が慌てた声をあげた。


「おいおい。この街を出るなんて簡単に言われると困るんだよ。まずは何があったか教えてくれないか」


取り敢えず昨日の街でのサイファ・ウォータールとの事を丁寧に話す。

ギルド長は一つ大きな溜息を吐いて話し出す。


「またウォータール公爵家の次男坊か。あいつは女好きでプライドも高いからなぁ。こんな事に家の権力使ったら問題になるぞ。分かった。冒険者ギルドアクロ支部として正式にウォータール公爵家に抗議の書面を出す事にする。魔石も今までと同じように買い取りをする。これで良いか?」


「とくに問題はありません。でも冒険者ギルドは大丈夫ですか?嫌がらせなんかされません?」


「まぁ特に問題ないな。ウォータール公爵家の宗主が絡んでいないしな。でもお前たちは気をつけた方が良いかもしれない。サイファ・ウォータールは粘着質でもあるしな。暴漢対策も必要かもしれない。今は宿を使っているのか?」


「安らぎ館を使用してます」


「宿はどうしても不特定多数の人が出入りするからなぁ。防犯設備がしっかりしているギルド所有の小さな一軒家があるからそこに移ったほうが良いな。どうかな?」


「防犯設備がしっかりしているなら安心ですね。お願いできますか?」


「食材や日用品はナギに運ばせる。街中をあまりうろつかなく済むようにな」


「なんか不自由な生活になりそうなんですけど…」


「ちょっと待て!話しは終わっていない。ここからは提案になるんだけどな」


「提案?」


「そうだ。お前には早くBランク冒険者になってもらえないかなって思ってな」


「Bランクですか?」


「Bランクに上がればこのような貴族からの介入は無くなるよ。Bランクのもたらす魔石の量は半端ないしな。貴族は施政者だから魔石のエネルギーについては過敏になる。お前らは既にBランク冒険者並の魔石を納品している。既に重要な人物だ。ただ外部から見たらDランク冒険者なんだよ。だから名実共にBランク冒険者になって欲しいんだ。それまで少しの不都合はかけるかもしれないが冒険者ギルドアクロ支部として最大限サポートさせてもらうから」


ギルド長の言っている事は理解できる。今日のペースだとBランクまで何日かかるんだ。


C級魔石を52個。ギルドポイント換算で52万。Dランク冒険者からCランク冒険者になるまで今日の分を含めるとあと228万ギルドポイント。5日弱か。


Cランク冒険者からBランク冒険者になるにはそこから3千万ギルドポイントが必要だ。3千万を52万で割ると58日弱。今日のペースだとBランク冒険者まで63日程度か。


レベルアップでのMPの成長も考えれば50日くらいかな。それとももう一つ上のダンジョンでやれば楽になるかな?


「Bランクの水宮ダンジョンってどんなモンスターが出るんですか?」


「最年少Dランクは言う事違うね。感心するよ。水宮ダンジョンは主に(みずち)が出るな。半分竜みたいなもんだな。15メトルを超える体長で口から切れ味鋭い水流と硬い尻尾の叩き付け。あ、巻き付きなんかもするか。」


自分達の攻撃と守備を考えると遠距離攻撃があるモンスターは避けたほうが良いな。大人しく沼の主人ダンジョンにするか。


「今聞いたら水宮ダンジョンはキツそうなので大人しく沼の主人ダンジョンにします。特に問題が無ければ60日前後でBランク冒険者になれると思います」


「おぉ!任せたぞ。今日から宿を引き上げてギルド所有の一軒家に移ってくれ。お前達に何かあったらこの街の大きな損失だからな。ウォータール公爵家には今のお前達の魔石納品量も伝えておくな。細かいことはナギに任せる。困ったことがあって対処できない時はナギに言ってくれ。俺まですぐに伝わるようにしとくからな」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 言葉遣いがバラバラ過ぎると思います。
[一言] 「ウォータール公爵家には今のお前達の魔石納品量も伝えておくな。」 魔石の納品量から戦闘力を推測できなければ、どうしようもない公爵家と言うことですね。
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