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蒼炎の魔術師 〜冒険への飛翔〜  作者: 葉暮銀
王都センタール編
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第65話 満室の宿に泊まる方法

 夕食はパメラが作った料理を3人でにこやかに食べた。表と裏の顔を使い分けるなんて貴族の付き合いはやだなぁ


 その日の晩は隠し通路が作れない2階の部屋で鍵をかけてる。装備を着て、ミカにくっついて寝た。1人で寝るより良いよね。


 朝食をパメラとミカと3人で食べた時にミカがパメラに話を始めた。


「昨日ここの屋敷で過ごしてみたけど、やっぱり私たちには広過ぎるみたい。用意してくれた冒険者ギルドには悪いんだけど、今日から宿に泊まることにしたわ」


 顔が青くなったパメラが言った。


「それなら他の家を冒険者ギルドで斡旋致します」


「冒険者ギルドに私たちのわがままで手間を取らせるのも悪いし、私たちは王都の人と違って田舎者だから感覚が違うのね。自分達で決めたほうが良いから。あ、安心して私たちお金はそれなりに持っているから全然問題ないから」


 絶句したパメラだった。

 この表情を見る限り、何かに怯えている印象を受けた。案外ミカの見立ては間違ってないような気がした。

 喋らないパメラにミカは言った。


「じゃ朝食ご馳走さまでした。ギルド長のビングス・エアード様によろしく伝えといてください。必要がありましたらこちらから連絡いたしますね。じゃアキくん、行こうか」


 そう言ってミカは朝食の席を立った。


 屋敷を出てセンタールの西側に進む。王国魔法学校が見えてきた。


「せっかくだから、この辺の近いところに宿がないかしら。住む場合もこの辺に家があれば良いわね」


 ミカはそういうと王国魔法学校の敷地に入る。事務所の人にこの辺で1番良い宿の場所を聞いていた。事務所の人はこの学校の入試が近いから宿に行っても満室の可能性が高いと言われる。早速ミカは教えてもらった宿に向かった。


 歩きながらミカに聞いてみた。


「ねぇ。行っても満室でダメじゃないの?」


「まぁ奴隷兼お姉さんに任せなさい」


 自信満々のミカだった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 教えられた宿の受付に来た。やっばり満室と言われて断られる。ミカはすぐに「上の責任者を呼んで」と言った。何をやってるんだろ?

 少し経って責任者と会話をしている。その後僕たちはこの宿に試験の日まで泊まれる事になった。


 部屋は豪華な部屋だった。何で??

 僕は疑問を解決する為に聞いてみる。


「こういう高い宿は急に身分の高い人が予約も無しに来る場合があるのよ。だから1番高い部屋を空けておくの。その部屋を使わせるかどうかの決定権を持つのが支配人クラスなのよ。あとは支配人に私たちがやんごとのない人物と教えてあげてお金を先払いすればこのように泊まれるのね。ただしこれは位の高い貴族じゃないと駄目なのよ。この後、他の貴族が予約が無くて来た場合にそれより高い位の貴族を泊めましたと言い逃れるようにしてあげないといけないからね」


 この話を聞いて、僕はやっぱり世間知らずなんだなって思った。

 ミカが話を続ける。


「ファイアール公爵家の息子でBランク冒険者の宿泊を断る高級宿はそうそう無いわよ」


 そう言ってミカは笑った。


 それからミカは先程の責任者を部屋に呼んで貸し家の斡旋業者、家を購入する場合はどうすれば良いか等を聞いていた。その他に家事をやってくれる人の募集の仕方を確認している。


「アキくんは魔法学校の試験だけを考えていれば良いから」と言われた。


 試験まで5日間あるからギルド長から紹介された研究者に会いに行こうかと思ったが、我慢して、大人しく宿にこもって勉強する事にした。

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