ギルド長との会話1
今日は泥のゴーレムを52体倒した。出てきたら道に上がってくるまで待ち、蒼炎をどこでも良いので当てる。余波エネルギーをダンジョンが吸うのを10秒待つ。魔石を拾い背中のマジックバッグに入れる。
1回の討伐に1分程度。次の索敵まで平均5分ほど。索敵から討伐まで6分である。1刻(2時間)で20匹、52体倒すのに2刻半(5時間)くらいである。お昼を少し過ぎたあたりでMPが切れてしまった。今日は終了だね。
レベルは僕が2つ、ミカが3つ上がっている。
ゆっくり歩いて冒険者ギルドに向かう。まだ未の刻だ。
受付を通らずこないだ通された部屋に向かう。部屋の中に呼び鈴があるため鳴らす。
少し待つと担当のナギさんが入室してきた。
ナギさんの顔が少し強張っている。
「アキさん、お時間がありましたらすぐにギルド長と面会していただけませんか?」
「別に良いですけどどうしました?」
「それはギルド長からお話があると思います。それではギルド長室までご案内いたします」
ナギさんの後に続く。ギルド長室は2階の1番手前の部屋だった。
ナギさんが扉をノックする
「冒険者ランクD級のアキ様をお連れしました」
「おぅ!入ってくれ!」
扉の向こうから野太い声が聞こえた。声のイメージから厳つい中年男性に感じる。ナギさんの後に続いて部屋に入室する。
正面のデスクの奥にがたいの良い30過ぎの男性が座っていた。目に迫力がある。
「そちらに座ってください」
デスク前に設置されている応接セットのソファを勧められる。ミカと2人で横になって座るとナギさんが「お茶を入れてまいります」と言って出て行った。
無言で数秒待つと対面のソファにギルド長が座った。
「冒険者ギルドアクロ支部のギルド長のワソランだ」
「アキと申します。こちらはミカです。よろしくお願いします」
そう言って頭を下げた。
「おいおいやめてくれよ。堅苦しいのは苦手なんだ。冒険者には珍しく礼儀正しいな」
ギルド長はニヤッと笑う。
「アキ・ファイアールとミカ・エンジバーグ。ファイアール公爵家の人間とカンダス帝国のエンジバーグ公爵家の長女。礼儀正しくて当たり前か」
僕はギルド長の言葉に眉をひそめる。
気にした様子をみせずにギルド長は言葉を重ねる。
「まぁ冒険者は生まれや地位は関係ないんだ。大事なのは出来る奴かどうか。もっと簡単にいえばギルドに貢献してくれているかどうかだ。貢献してくれている奴はギルドランクは高くなる。最年少のランクDの顔は一度は拝んでおかないとな」
「私の顔を拝むのが今回の用事ですか?それならこれで終わりですかね?」
「まぁあせるな。お茶がくるまで待ってろ。お前らの担当のナギにも一緒に聞いて欲しいことだからな」
そこでちょうどナギさんがお茶を入れて戻ってきた。お茶をテーブルに置いたあと部屋から下がろうとしたナギさんにギルド長が声をかける。
「ナギ!お前も聞いていけ。俺の横に座って良い」
ナギさんがソファにかけたところでギルド長が真剣な顔に変わった。
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