髪をおろしただけで……
冒険者ギルドから帰ってきて部屋でミカと話し合った。
「現在、沼の主人ダンジョンを使っている冒険者がいないからダンジョン探索は通常の時間の昼で良くないか?昼夜逆転はやっぱり疲れるよ」
「アキくんの言う通りだね。それに沼の主人ダンジョンは見晴らしが良いし、他の冒険者がくればすぐにわかりそうだしね」
「じゃ今日はこのまま休んで、明日の朝から活動開始だ」
「時間を戻さないといけないから今日の夕方までは起きていたほうが良いわ」
「そっか。ならアクロの街でもぶらついてみようかな」
「私も一緒に行くね!」
「お金もそれなりにあるから装備や普段着なんか買いに行こうか」
「じゃちょっと待ってて!用意してくるから」
そう言うと慌てて自分の部屋に戻っていった。
やっぱり女性は洋服を買うのが好きなのかな?
それにしてもマジックバッグを冒険者ギルドから借りられて本当に良かった。そろそろ荷物持ちの奴隷を増やさないと駄目かなって薄っすら考えていたから。
買い物にもマジックバッグ持って行くか。
安らぎ館は居心地が良いけど一泊が5,000ミラ、2人で10,000ミラ。30日で300,000ミラか。どっか部屋でも借りたほうが安上がりになるなぁ。ミカに相談してみるか。
そんな事をつらつら考えていたらノックの音がした。ミカの準備ができたようだ。扉を開けてビックリした。
いつも後ろでポニーテールにまとめている髪を下ろしている。また薄い化粧もしてる!?ゆったりとした白のワンピースも清楚な印象を醸し出している。
綺麗で清楚で品がある。服装や髪型でこんなに印象が違うのか。やはり帝国の公爵家の長女だけある。
呆気に取られているとミカが口を開いた。
「おかしいかな?こないだ少し早めに起きて買ってきたワンピースなんだけど…」
ミカは赤い顔をしてこちらの反応を窺う。
「いやとっても似合っていて言葉が出てこなかったよ。素敵な女性になってるよ」
そう褒め言葉を言うとミカの顔はますます赤くなった。
「じゃ行こうか」
そう言ってアクロの街に繰り出した。
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