鎌鼬の庭ダンジョン
鎌鼬の庭ダンジョンはカッターの北門から1.5キロル程度の距離である。
歩いていける距離だ。
早朝に冒険者ギルドに行って朝ごはんを食べる。そのまま北門に向かって歩いていく。
気温はだいぶ寒い。
早くダンジョン内に入りたい。
鎌鼬の庭ダンジョンの入り口は洞窟タイプだった。
入り口を通り抜けてビックリしたのがダンジョンなのに空がある事だった。沼の主人ダンジョンと同じタイプだ。
道は歩きやすい土。両脇には草原が広がっている。
遠くの方で鳥が飛んでいるのが分かる。
こちらにどんどん向かってくる。
近づくにつれ大きくなってくる。
昇龍の剣を右手に持ち待ち構える。
羽根を広げると確かに大きい。
緑色した大型カーサスだ。
すれ違い様に昇龍の剣を一閃!
緑風カーサスは真っ二つになった。
3体ほど倒して分かった。
コイツ弱いって。
直線的に飛んでくるからタイミングを合わせて剣を置くだけで倒せる。
ミカも問題なく倒している。
これ様子見する必要ないんじゃないか?
そう思いミカに聞く。
「ミカ、進めるだけ進んでみない?この程度なら問題無いとおもうんだけど」
「私もそれで良いと思う。たぶん楽勝よ」
話は決まりそのまま行けるとこまで行ってみることにした。
相変わらず緑風カーサスは襲ってくる。
速いだけだ。
落ち着いて処理すれば問題ない。
風属性は守備力に難があるからそのせいかと感じる。
1階層を鼻歌混じりで通過する。
2階層ではたまにふつうのカーサスが出てくる。ただそれだけだ。
やっぱり剣術レベルが上がっているのかな。
ステータスカードで確かめたい。
3階層、4階層と進んでいく。
ここも危険性は変わらない。
丁寧に緑風カーサスを倒していく。
5階層から緑風カーサスの大きさが一回り大きくなった印象。
それがどうした。
一刀両断にする。
6階層。通常のCランクダンジョンは最終階層だ。
緑風カーサスがあからさまに大きくなっている。
羽根を広げると5メトルはある。
速さも少し速くなっている印象だ。
でもそれだけ。
相変わらず直線的に突っ込んでくる。
作業のように倒していく。
6階層の奥に来た。
高さが4メトルほどの扉がある。
本当にボス部屋まで来ちゃった。
ミカは息すら乱していない。僕も同じだ。
ミカと目を合わせ、一つ頷いて扉を開ける。
ボス部屋は広かった。
辺り一面草原だ。
遠くから鳥が飛んでくる。
結構な速さだ。ミカと準備を整える。
どんどん大きくなるカーサス。
羽根を広げると10メトルはあるだろう。
残念な事にやはり直線的にこちらを襲ってくる。
大きな緑風カーサス。
タイミングを合わせ左右に移動する。
左の翼をミカが、右の翼を僕が、すれ違い様に剣で切り裂く。
羽根が無くなった大きな緑風カーサスは地面でもがいている。
首を刎ねて討伐終了した。
大きな緑風カーサスの死骸はダンジョンに吸収されB級魔石と宝箱に変わった。
B級魔石をマジックバックに入れ、宝箱の舞をしようと思っていたら、ミカが既に宝箱を開けていた…。
呆然とした。
「ミカ、ひどいよ!どうしてもう宝箱を開けてるの!これからが冒険者の醍醐味なのに!」
「アキくん、ごめんね。あの踊りはやりたくなくって。また新しい事考えてくれたらやるから。ほら剣が出て来たわよ」
剣なんかで誤魔化されてやるもんか!
僕の楽しみを奪ったことを日記に書いてやる!
日記なんて書いたことないけど…。
まぁしょうがないか。
宝箱から出てきた剣は緑色の鞘に入っている剣だった。曲刀?鞘に入っている。
鞘から抜いてみる。
刀だ。片刃で綺麗だ。
鞘も緑色だが、刃も緑色に光っている。
何かカッコいいね。
「ミカ、この刀を僕が使って良いなら宝箱を勝手に開けたことを許してあげる」
「良いわよ、アキくん。どうせこのダンジョンは何回も周回するつもりだからね」
宝箱には他にダンジョン制覇メダルが入っていた。何か有り難みが薄いな。
結局カーサスはカーサスって事か。
こうしていきなり鎌鼬の庭のダンジョンを制覇した。
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