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蒼炎の魔術師 〜冒険への飛翔〜  作者: 葉暮銀
王都センタール
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シズカに思うこと

僕ははっきり言ってシズカが好きでは無い。

では嫌いかと言うとそうでもない。

苦手意識があるだけだ。


いないものとして扱われる、無視される、侮蔑の言葉をかけられる。

どれが一番辛いだろう。

僕の経験ではいるのにいないものとして扱われるのが一番辛かった。

無視とは違う。無視はいる事を認識しながら、いないものとする事である。無視する側にもある程度の緊張感が出る。

いないものとして扱われるとは無視の上の段階。本当に空気のようになる。道端の雑草だ。僕がいるのに認識がされていない。

それなら侮蔑の言葉をかける事は?

いる事を認識してくれて、こちらに働きかける行為だ。

シズカに侮蔑の言葉をかけられながらも、救われていた自分がいた。思えばひどい環境だ。


シズカの特徴は好奇心旺盛な事だ。

興味がある事に近づくと、シズカが納得するまで離してくれない。

大いなる好奇心の為せる(わざ)だ。

また完全なる実力主義者の考えは力の無いものには堪える。

行き過ぎると選民思想にも繋がりかねない。

魔法が使えない平民だって楽しく生きている。

それは有意義な人生だと思う。

それを否定しかねない考えに僕は賛同できない。

ここは相容れない考えと思っているが、そんな考えの大人はごろごろいる。

血筋だけで威張る奴より完全なる実力主義者のほうがマシである。

自己中心的な行動や考えも、強すぎる好奇心と他人への感受性が低いからなんだろう。

シズカはこちらが理を話せば考えることはしてくれる。


簡単にいえば僕にとってのシズカは、貴族にしてはマシであり、それなりに聞く耳を持っていると言う事である。

ただ、ガンギの婚約者のため、仲良くするとガンギの怒りがこちらに向くと言う事だろう。

それがシズカと距離を取りたい理由である。



現在、普通の学生生活を続けている。

変わった事といえば、最近のヴィア主任の興味はダンジョンでのレベルアップについてであった。

自ら実験体となり、データを集めている。

当然、サイドさんも実験体としてダンジョンに行きモンスター討伐をしている。

Dランクモンスターのオーガばかり倒しているそうだ。


僕とミカはダンジョンで蒼炎を撃っていた。

今度行われるダンジョン外の実験では、晩年のソフィア・ウォレールが作った魔法と蒼炎を同時に使うことが予定されている。



明日が休みの10月12日【白の日】。

今日もシズカはおとなしかった。こちらの調子が狂ってくる。

シズカは唯一僕に声をかけてくれるクラスメイトだ。

明日は休みだから誘ってみるか。


「シズカさん、明日は用事ある?」


「特に無いわね。今はお父様がどういう対応を取るのか気が気でないの。沙汰を待つ罪人の心境よ」


「ならさ、気分転換に明日ミカとダンジョン行かない?シズカも魔法をぶっ放してストレス解消しようよ」


「アキさん、ありがとうね。でも今回は遠慮しておくわ」


僕のダンジョンのお誘いを断るほどとは…。

早く落ち着けば良いなと思った。


ミカと冬の長期休みをどうするか話し合っていた。

西のカッターに行こうかと話が出ている。

エルフ排斥運動がどの程度かも見てみたい。

ヴィア主任はお留守番だね。

ミカがとても明るくなった。

僕に対しての怯えが完全に無くなっている。

そのミカの怯えが僕がイラついていた原因だろう。

このままの関係が続くと良いな。

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