再開された会談
オウカさんとの会談が再開された。
オウカさんが僕を見つめて会話を始める。
「それではアキ殿、エルフからアキ殿の冒険者パーティに入れてくれる事を了承してくれるかい?」
僕が喋るより先に僕の後ろにいたヴィア主任が言葉を発した。
「ちょっと待って母さん。先程の話をいきなり信用するのは難しいわ。それで提案があるのだけど」
オウカさんは僕からヴィア主任に目線を動かして話す。
「なんだ?ジャジャ馬娘よ。取り敢えずその提案を言ってみよ」
「先程、ソフィア・ウォレールが晩年開発した魔法があると言ってました。それを教えていただけませんか?その魔法によっては先程の話の信憑性が上がると思いますが」
オウカさんは、ヴィア主任の言葉を受けて少し眉を顰める。
「あくまでもその魔法は蒼炎の魔法の使い手に選ばれたエルフに教えるものだ。またその魔法は蒼炎が使える人がいないと意味がないんじゃ」
そしてオウカさんはヴィア主任に拒絶の言葉をかける。
「ソフィア・ウォレールが心血注いで開発した魔法だ。神聖なものである。エルフだからといって気軽に教えてはソフィア・ウォレールに申し訳が立たない。アキ殿の冒険者仲間になる覚悟がないお前には教えられない」
沈黙が場を包む。
僕が沈黙を破る事にした。
「誠に申し訳ありませんが、今の状況でエルフの方のパーティ加入はできません。冒険者の仲間は固い絆で結ばれるものだと思います。その上で本当に冒険したい人が組むべきだと思います。現在、私にはエルフの知り合いで固い絆があるのはヴィア主任のみです。しかしヴィア主任は研究をしたがっています。これでは冒険者仲間にはなれないです」
焦り出すオウカさん。でもしょうがないよね。
オウカさんが絞り出すように言葉を発した。
「待ってくれ、アキ殿。それではソフィア・ウォレールの願いが叶わない。これからこちらで長老会を開いて対策を練る。明日、また話し合ってくれないか?」
何か良い案が出るとは思わないけど。まぁ時間はあるし、ご飯は美味しいから良いかな。
「わかりました。明日、また話し合いましょう」
僕の言葉で今日の会談は終了した。
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