魔法実技の成績
次の日、ミカは普通に起きて朝の鍛錬をしていた。
特に二日酔いにはなっていないと笑った。
ミカと模擬戦をしたが、全く相手にならない。僕の剣術の道はまだまだ遠いと感じた。
昨日、僕は初めて誕生日を祝った。
小指にしている指輪を見て、誕生日って良いものなんだなっと実感する。
ホームルームで今週の僕の時間割りを担任のシベリーさんからもらう。学校とヴィア研究所で調整されたものだ。
時間割りの紙を見る。
【無の日】休み
【青の日】(魔法実技)(魔法実技)
【緑の日】(魔法体系概論)(魔法史)
【赤の日】(魔法実技)(魔法実技)
【黒の日】(リンカイ王国歴史)(呪文解析概論)
【白の日】(魔法実技)(魔法実践)
今週の時間割りは【青の日】と【赤の日】はミカと2人でダンジョンに行き蒼炎の魔法を150発撃つ。
【青の日】と【赤の日】の座学の授業は、次の日の午前中にサイドが教えてくれる。
最近は僕の新しく使える魔法の開発は停滞している。
はっきりいえば全く進んでいない。
先日、僕は魔法実技の授業の成績がどうなるのか心配になり、ヴィア主任に確認したところ笑われた。
「君は強力な蒼炎の使用を国から止められている魔術師だぞ。そんな凄い魔術師はいないんだよ。魔法実技の成績なんて満点に決まっているだろう」
ヴィア主任はそう言ってくれたが、新しい魔法の開発は進んでいない。その辺を確かめたらまた笑われた。
「通常、夏休み前の7月下旬に各教科の試験がある。魔法実技の試験内容だが、赤のAクラスの1回生はF級ダンジョンの探索だ。出てくるモンスターはF級モンスターのウルフィートだぞ。君は実験でEランクの屠殺場ダンジョンで、オークを討伐しまくっているだろ。他の学生とレベルが違うんだ。おまけに君の試験の点数を付けるのは私だ。今は試験もする気が無い。意味のない事はしたくないからな。魔法実技テストは試験無しで満点にする予定だよ」
ヴィア主任の言葉が続く。
「2回生以降の魔法実技の試験は、学生同士の戦闘なんだ。4回生以降になると集団戦闘もやるようになる。これは騎士団になる事に向けてだな。君は現在、許可が無いとダンジョン外で蒼炎が使えない。来年以降は試験が受けられなくなるね」
呆然としている僕にヴィア主任が声をかける。
「君は魔法実技のレベルは既に学生を超えている。この学校で普通のカリキュラムから逸脱した存在なんだよ。魔法実技の試験は卒業まで実施しないで満点だな」
卒業まで無試験で満点!?
僕は気になっている事を確認した。
「それならば僕がやっている新しい魔法の開発の取り組みはどのような位置付けなんですか?」
ヴィア主任は優しい顔を見せてくれた。
「学生レベルではなく、研究者レベルだよ。あくまで、私は特例で君を学校から預かっているんだ。研究者の心構えでゆっくりとやってもらって構わない。成果が出ない場合も問題ないよ」
そう言ってヴィア主任は、また笑った。
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