ヴィア主任の情報源
ヴィア主任の話に、こんな状態なら王都脱出するしかないじゃんと思っていた。
今は学校で忙しいし、休みの日に毎回ダンジョンなんて行きたくない。
それに王都近辺のダンジョンはDランクまでだ。
そんな単純作業みたいな事はもうしたくない。
アクロでBランク冒険者になるまで無茶したから、強制的なダンジョン探索はもうしたくない。
全然そんなの僕が憧れている冒険者じゃない。
自由なのが冒険者だ。
【白狼伝説】の主人公みたいな冒険者になるんだ!
そう思いヴィア主任に僕は話を切り出す。
「僕は自分が納得しないでダンジョンに繰り出したくはありません。自由のない冒険者なんて、フルーツジュースが飲めない風呂上がりと同じです。やっぱりここのギルド長に取り込まれるのならば皆さんには悪いですけど、王都から移動を考えたいです」
ヴィア主任は僕の額を人差し指で強く弾いて話す。
「だから結論を急ぐな。フルーツジュースの件は私も同感だけどな。どうして1番初めに冒険者ギルド本部と、ここのギルド長の力関係を話したと思っている?それに私はどこからこの情報を取って来たと思っている?」
額が痛い。
でも確かにこんな情報をどうやったら手に入る?
ヴィア主任は僕を見て話を続ける。
「まず私にもそれなりに知り合いがいるんだよ。冒険者ギルド本部にね。まずはそこに行ったんだ。そこでギルド長のビングス・エアードの情報を集めた。本部では強引過ぎるビングス・エアードのギルドの運営に難色を示していた。もう少し話を聞くとギルドの金を横領している疑惑があるそうで近いウチに査察を入れるところだったそうだ」
ヴィア主任はお茶を一口飲んで話を続ける。
「私は本部にBランク冒険者2人に良からぬ事を企んでいそうだと告げた。ビングス・エアードが理由を言わずに出頭命令を出しているってな。本部ではその話をしたら慌ててな、内密に気の弱いビングス・エアードの側近の1人を本部に呼び寄せ事情を確認したんだ。その側近は可哀想に、いきなり本部に呼ばれて怯えていて震えていたよ」
ヴィア主任はクククっと笑う。
僕は美人はどのように笑っても絵になると思った。
ヴィア主任の話は続く。
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