捲し立てるヴィア主任
途中から顔が怖くなるヴィア主任。
そして最悪の場合には僕とミカは王都から逃げると言ったら爆発した。
「アキくん!君は何を言っているんだ!アキくんがいないと蒼炎の魔法について調べられないじゃないか!王都から逃げるだなんて考えちゃいけないよ!」
僕はヴィア主任の迫力に圧倒された。僕が「でも…」と口を開きかけたらヴィア主任に怒鳴られた。
「良いか!君はまだ子供なんだ!その証拠に学生をやっているじゃないか!お金をたくさん持っていても、たとえ強い魔法が撃てようとも、君が12歳の子供なのは動かしようがないだろ!子供が困っていたら自分が信じられる大人に頼め!私は君に取って信じられる大人ではないのか!」
興奮しすぎて息が激しくなってるヴィア主任の言葉がいまいち理解できなかった。
去年まで僕の周りには信じられる大人だけでなく、普通の人もいなかったのだから。だって1人でずっといたし、家出後はサポートはあったかも知らないが、あまり人に頼った事がなかった。人に頼ると言う選択肢が、僕には徹頭徹尾存在していない。
反応が薄い僕を見て、ヴィア主任が泣き出した。そして僕を抱きしめてくれた。僕は何で泣いているのか理解できなかった。ヴィア主任には僕の小さい時の境遇や家出の後の話はしている。蒼炎の研究のためだ。
落ち着いたヴィア主任が僕の目を見て言った。
「大人に頼る考えを持っていない君はとても寂しい。それがたとえ君の境遇のせいだとしても。君は歪なんだよ。見てろよ!頼れる大人を君に見せてやろう!君らは何もしなくて良い。あとは私に任せろ。早まるとまずいな。まずはサイド、ミカくんを捕まえてこい。家に行っていなかったら冒険者ギルドの周辺を探してこい。私はシャワーを浴びてから出かけてくる」
そのままヴィア主任は自分の部屋に備え付けられているシャワーを浴びに奥に引っ込んだ。
サイドさんが僕に言った。
「ヴィア主任を良く見ておくんだよ。アキくんはもう少し子供で良いんだよ。あとでゆっくりと話そう。僕はミカさんを確保しないと。まだミカさんは家にいるかな?」
そう聞かれたので「家にまだいると思います」と言ったら、すぐにサイドさんは研究室を出て行った。
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