陛下との会話
王冠とマントを外し、リラックスした雰囲気の陛下が話す。
「今日はアキ殿とミカ殿と話をしたくてな。どちらもBランク冒険者なのだろ?リンカイ王国としても是非Aランク冒険者になって欲しくてな。堅苦しい言葉はいらないからな。気楽に話してくれれば良い」
少し落ち着いた僕が話す。
「陛下が私達に聞きたい話はなんでしょうか?ご要望がございましたら」
陛下は右眉を上げた。
「アキくん。気楽にって言ったよね。ご要望なんて言葉使って。やだね、貴族はね」
おちゃらけた態度の陛下。僕の呼び方も、くん付けになっている。
「そう仰られてもこちらは困惑してしまいます。どうぞご容赦ください」
すると陛下は急に真剣な顔になった。
そして言葉を発した。
「分かった。まずはこちらからカードを切ろう。そうで無いとアキくんの信頼は得られないからな」
そう言って謁見室で見た鋭い眼光になった。
「まずは話そう。Aランク冒険者が出ることがリンカイ王国としての悲願なんだ。またそれは私の悲願でもある」
Aランク冒険者が出ることがリンカイ王国の悲願?
なんで冒険者ギルドとリンカイ王国が関係するんだ?
陛下は言葉を続ける。
「アキくんがBランク冒険者になったのはアクロだったな。それならばウォータール公爵家からある程度の話を聞いているはずだ。1段階目の制約が解除されるからな」
僕はウォータール公爵家での話の内容を思い出しながら話す。
「時間がかかっても構わないから、Aランク冒険者になって封印ダンジョンを制覇してくれないかって頼まれました。理由はAランク冒険者になったら話すと。契約で話せないとも言ってました。封印ダンジョンの制覇が封印守護者達の悲願と」
陛下は頷きながら話す
「契約は古の契約だ。リンカイ王国初代国王のウルフ・リンカイとの契約なんだよ。1段階目の契約は、Bランク冒険者になった者に対して、Aランク冒険者から封印のダンジョンの制覇を促すことが可能となる。それ以上の内容はAランク冒険者にならないと解除されない」
ウルフ・リンカイ?さらっと名前が出てきたぞ。
【白狼伝説】ファンとしては聞き流せない。
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