歓喜の感情の爆発!!
南門を抜けて城壁外の市街地を抜ける。
途中からボムズ行きの街道とは違う道を進んだ。
どんどん道が悪くなるし狭くなる。
馬車で行けるところまで行ってそこからは徒歩となった。
林の中の山道を歩く。
半刻ほど歩くと視界が広がってきた。
軽い丘の頂上に着いた。
とても開けた場所だ。
周りには燃えるような木はない。
下は土だ。
確かにこれだけ広ければ周りに迷惑はかけないだろう。
まずは一息ついて水筒の水を飲む。
落ち着いたところで、サイドさんが蒼炎を当てる的を準備する。
ヴィア主任が僕に説明をする。
「念のため距離はしっかりとる。入試の時の蒼炎は半径25メトルくらいだ。50メトル離れて蒼炎を撃って見てくれ」
的の準備ができてサイドさんがこちらに戻ってきた。
同行してきた研究員は万が一に備えて僕の後ろに控えている。
ヴィア主任の声が上がる。
「よし!それではこれから蒼炎のダンジョン外使用の研究を開始する。アキくん、よろしく頼むぞ!」
僕はその言葉に頷き、蒼炎の呪文の詠唱を始めた。
【焔の真理、】
その刹那感じた。蒼炎が喜んでいる!
【全てを燃やし尽くす業火、】
蒼炎の喜びが膨らんでいく!
【蒼炎!】
蒼炎の歓喜の感情が爆発した!
直径20セチルほどの蒼い玉が的に向かって一直線に向かう。
着弾!
蒼炎は的の中心に当たると、そこから光が広がって行く。
半径3メトルを超えても拡大する。
やはり25メトルくらいになるのか?っと思っていたら半径8メトルくらいで蒼炎の大きさは止まっていた。
今日の蒼炎は笑っていた。確かにそう感じる。楽しそうだ。
横では真剣な顔で蒼炎を観ているヴィア主任。
1分ほど経っても蒼炎は燃えていた。
ヴィア主任が待機していた研究員に水魔法の対処の指示を出した。
僕は口を開いた。
「ヴィア主任、大丈夫ですよ。もう少しで蒼炎は消えます」
その言葉を言って、直ぐに蒼炎は蒼い炎が白い炎に変わり、しばらくすると赤い炎に変わった。球体の形が崩れてきた。
残ったのは的から半径8メトルくらいの半球体の穴だった。
 





