またまたシズカの来襲
午前中の授業が終わり食堂でお昼ご飯を食べていたら横にシズカが座ってきて話しかけてきた。
「ねぇアキさん。お願いだから私とダンジョンに行ってくれないかな?行ってくれたら何か1つアキくんの望みをきくから」
今日のシズカはいつもと違い、しおらしい雰囲気を出している。トレードマークの大きな目は上目遣いにして僕を見つめる。
いつもとは違ったパターンで来たか。そう思い口を開いた。
「その件は以前断ったはずだよ。それにシズカさんにしてもらいたい事は僕にはないよ」
この程度で引き下がったら普通の人だ。シズカは普通の人ではない。
「それなら私と1日デートってどう?今度の休みの日にしましょう。そうだ!王城に行きましょうよ!一般に解放されているところがあるし、美術館が併設されているわ」
「別に君とデートをしたいとは思わないよ。なにが楽しくて弟の婚約者とデートしなくちゃダメなんだ」
「私がアキさんをいっぱい楽しませるから。それにガンギくんとは婚約破棄をするようにお父様にずっと頼んでいるから問題ないわ。ね、行こーよ」
「悪いけどその日は既に先約が入っているんだ。人と会う用事がある。悪いけど諦めてくれるかな」
それでもシズカは食い下がる。
「その用事を別の日にできないの?私からその人に頼むから」
「それはやめておいたほうが良いと思うよ」
「誰と会う予定か教えなさいよ。私が頼んだら別の日に変えてくれるに決まっているんだから」
この子は何を思って生きているんだろ?まだ世の中が自分中心に動いていると思っている。
僕は口を開いた。
「国王陛下だ」
「へ?」
「だから僕が次の休みに会うのはリンカイ王国の国王陛下だよ。試しに君から別の日に変えてくれるように頼んだら」
その言葉を聞いたシズカは怒り出した。
「そんな話あるわけないでしょ!私とそんなにデートしたくないからって、意味不明な作り話をしないでよ!」
そう言ってシズカは席を荒々しく立って食堂を出て行った。
僕はミカに聞いてみた。
「ダンジョンに一緒に行きたいと言っていたのに、最後はデートに行かないことを怒っていたよね?なんなんだろ?」
「自尊心が傷つけられたんじゃないですか?多感なお年頃ですから」
僕は女性って難しいと思った。
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