ヴィア主任の授業内容の予告
「君は現在、魔法は蒼炎の魔法しか使えないよね」
ヴィア主任は先生が生徒に質問するように聞いた。
「はい、使えないです」
「例えばどうして君がファイアーボールの呪文を唱えても魔法が発動しないか分かるかな」
「それは僕が火の属性の魔力が無いんだと思います」
「正解だ。魔法発動の条件は正しい呪文の文言で詠唱し、その魔法に適した魔力が無いと発動しない。私は風属性だからファイアーボールは使えないって事だな」
「はい、そうですね」
「なら君が蒼炎以外の魔法を発動させるのはどうすれば良い?そう簡単だ。君の魔力で発動できる呪文の文言を新しく作れば良いんだ」
僕は言うは易し行うは難しと思った。
「そんな事が可能なんですか?」
自信満々の態度を崩さずヴィア主任は答える。
「理論上は可能だ。それに呪文の文言もある程度の規則性があるんだ。詩的感覚も必要となるけどな」
案外新しい魔法は作ることができるような気がしてきた。
「呪文の文言の規則性は授業で教えるからな。詩的感覚って奴はとても大事だから、他の属性の呪文の文言を読み込むのは良いトレーニングになる」
その時ヴィア主任がうっとりとした表情になる。
そして感情を溢れ出しながら言葉を続ける。
「私は蒼炎の呪文の文言を聞いた時に背中に電気が走る感じを受けたよ。起動の句が【焔の真理】だよ。ぞくぞくするね。次に主文の句【全てを燃やし尽くす業火】。この良さがわからない奴は詩的感覚が皆無だね。そして最後が魔法名である【蒼炎】。確かに君の魔法は蒼炎と言うしかないよね。そして全体のバランスを考える。【焔の真理、全てを燃やし尽くす業火、蒼炎!】。この呪文の文言を考えた奴は天才だよ」
そこで別世界にトリップしていた事に気づくヴィア主任。取り繕いながらしゃべった。
「ゴホン!まぁ少し話し過ぎたが、このように君が使える魔法を作る事は不可能ではない。それを授業で取り組んでみないか?」
僕はとても楽しく有意義な授業になると確信して言った。
「確かにヴィア主任がおっしゃったように、今からワクワクして寝れなくなりそうです。こちらこそよろしくご指導お願いします」
こうして僕の魔法実技の授業は僕が使える新しい呪文を作ることに決まった。
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