ヴィア・ウォレット
その声は鋭く空気を震わせた。
「そのあたりは今後の研究が必要だな」
僕はちょっとビックリしてしまった。
「これは失礼。自己紹介がまだだったな。私は王国魔法研究所の主任研究者のヴィア・ウォレットだ。君の蒼炎の魔法に興奮した1人だよ」
そう自己紹介したヴィア・ウォレットはとても綺麗な人だった。
歳は20代半ばに見える。髪は緑色。ただし長い髪をボサボサにしている。透き通るほどの色白で目鼻立ちはとても整っている。街を歩けば振り返る男性が多いことだろう。
よく見ると着ている白衣がよれよれだ。袖口は汚くなっている。残念美人さんなのかな?
ヴィア・ウォレット?何か聞いたことがある名前だなっと考えていたらギルド長が紹介してくれる手配になっていた人だと思い出した。
校長先生が口を開いた。
「ヴィア・ウォレット主任から蒼炎の魔法を研究したいと強い要望があってね。それでアキくんには王国魔法学校に入学してからもヴィア・ウォレット主任に協力して欲しいんだ」
「僕も蒼炎の魔法についてしっかりと理解したいのでよろしくお願いします」
僕のその言葉を聞いたヴィア主任は興奮したのか早口になって言った。
「それは嬉しい!それならばこれからダンジョンに行って君の蒼炎を見せてくれ!そのデータを取りたい。あと街の郊外に行って蒼炎の魔法を撃ってみよう!ダンジョン外でのデータを取りたいな。街の郊外に行くのなら馬車の手配が必要だな。その他に君は蒼炎の系統の魔法が使えるのか?使えるならどんなものなんだ!」
ヴィア主任に圧倒された僕に気が付いた校長先生が口を挟んだ。
「ヴィア主任。ちょっと落ち着いてください。アキくんもビックリしている。今日は一応入学試験の面接なんだよ。まずはそっちを優先しましょう」
「何を言ってるのだポーツ!アキくんの合格は決まっていると先程言っていたではないか!こんなところでお茶を飲んでいる場合じゃないんだよ!早速馬車の手配をしよう!」
興奮がおさまらないヴィア主任を宥めるように校長先生は優しく話した。
「今日のところは研究は諦めてください。アキくんの都合もありますし、アキくんから聞きたいことが私にもあります。研究はアキくんが入学してからにしてください」
校長先生の言葉に憮然としながらもヴィア主任は口を閉じた。
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