屋敷からの脱出
夕食はパメラが作った料理を3人でにこやかに食べた。表と裏の顔を使い分けるなんて貴族の付き合いはやだなぁ
その日の晩は隠し通路が作れない2階の部屋で鍵をかけて装備を着て、ミカにくっついて寝た。1人で寝るより良いよね。
朝食をパメラとミカと3人で食べた時にミカがパメラに話を始めた。
「昨日ここの屋敷で過ごしてみたけど、やっぱり私たちには広過ぎるみたい。ご用意してくれた冒険者ギルドには悪いんだけど、今日から宿に泊まる予定にしたわ」
顔が青くなったパメラが言った。
「それなら他の家を冒険者ギルドで斡旋致します」
「冒険者ギルドに私たちのわがままで手間を取らせるのも悪いし、私たちは王都の人と違って田舎者だから感覚が違うのね。自分達で決めたほうが良いから。あ、安心して私たちお金はそれなりに持っているから全然問題ないから」
絶句したパメラだった。
この表情を見る限り、何かに怯えている印象を受けた。案外ミカの見立ては間違ってないような気がした。
喋らないパメラにミカは言った。
「じゃ朝食ご馳走さまでした。ギルド長のビングス・エアード様によろしく伝えといてください。必要がありましたらこちらから連絡いたしますね。じゃアキくん、行こうか」
そう言ってミカは朝食の席を立った。
屋敷を出てセンタールの西側に進む。王国魔法学校が見えてきた。
「せっかくだから、この辺の近いところに宿がないかしら。住む場合もこの辺に家があれば良いわね」
ミカはそういうと王国魔法学校の敷地に入る。事務所の人にこの辺で1番良い宿の場所を聞いていた。事務所の人はこの学校の入試が近いから宿に行っても満員の可能性が高いと言われた。早速ミカは教えてもらった宿に向かった。
歩きながらミカに聞いてみた。
「ねぇ。行っても満員でダメじゃないの?」
「まぁ奴隷兼お姉さんに任せなさい」
自信満々のミカだった。
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