ミカ・エンジバーグの事情2
ミカ・エンジバーグの視点です
無理矢理戦争を起こした父、また第三騎士団の出征もゴリ押しした。敗戦後は身代金を払わない。尽くしてきた国も肩代わりしてくれない。
私は何のためにここまで来て戦争していたのか分からなくなってしまった。私は誰にも必要とされてないのか?自問自答してしまう。
そのうち考えるのを放棄した。気がつくと奴隷商の商館の奴隷部屋にいた。奴隷など通常貴族のおもちゃか戦闘時の捨て石にしかならない。もうどうでも良いと捨て鉢になっていたところ、ここでも私は必要とされていなかった。
貴族連中は私は帝国の公爵令嬢という事で、わざわざ金を出して恨みを買うのが嫌みたいだ。
周りの奴隷が買われていくのを見て羨ましくなった。奴隷でも必要とされていると言うことだから。
奴隷の商館に入って1ヶ月くらい経った時に、商会長のパウエルに呼ばれた。隣りには髪が水色の男の子が一緒にいた。
どうやらこの男の子がお客さんらしい。こんな可愛らしい男の子が奴隷を買うなんてどんな世の中なんだと思った。
奴隷商会の応接室で隷属の契約の主人変えが行われた。新しい主人との繋がりができたのを感じる。腕の隷属紋から熱い感情が流れてくる。
こんな子供が熱い感情?何かの間違いだろう。
商会長から着替えるように言われる。用意されていた装備はライトアーマーに片手剣、それにカイトシールドだった。
新しい主人はひっきり無しに話しかけてくる。話す気がしない。誰にも必要とされていない自分に生きてる価値を感じなくなっていた。
宿はシングル2部屋で取っていた。私は奴隷だからベッドが無くても良いのに。
装備を外したら主人の部屋に来るように言われた。何かもうどうでも良くなっている。言われたことをただやっていこう。
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