冒険者ギルドが用意した屋敷
「こちらの屋敷になります」
自慢げにパメラが屋敷に歩き出す。冒険者ギルドが提供する住宅としては破格すぎる。たとえBランク冒険者だとしても。
パメラは鍵を出して屋敷のドアを開けた。掃除はされていたようで埃っぽくない。玄関ドアを開けると小さなホールがあり床は大理石だった。階段の手すりを見たが高級品の木材だった。細かいところにもお金をかけているのが分かる屋敷だ。
「なかなか立派な屋敷ですね」
僕がそういうとパメラが誇らしげに答える。
「こちらはギルド長のご実家のエアード家が保有していたのですが、先月王都支部にて買い取ったものです。手入れがしっかりされている屋敷です。ここから王都魔法学校まで歩いてすぐですよ」
取り敢えず屋敷の中を見て行くか。
パメラが案内してくれる。部屋数は8つあった。広いダイニングとリビング、キッチンも本格的だ。衣装部屋まである。
「こちらの衣装部屋は湿度が低くなるように魔道具が設定されております。衣装もそうですが貴重な装備なんかの保管にも適しております」
なんか凄い屋敷だな。
パメラがこちらを見ながら言った。
「ご飯は今日の夕食からお作りする予定です。私は通いになりますが朝には朝食を作りにきますね」
急にミカが言った。
「今日の夕食と明日の朝食はそれで良いわ。パメラさんは通いなんですね。大変かと思いますので家事全般をしてくれる人はこちらで探しますので大丈夫です。パメラさんには冒険者ギルドの仕事で専属になってもらえれば良いですよ」
慌ててパメラが話し出す。
「通うのは特に問題ありません。何か私が粗相を致しましたでしょうか?」
ミカがパメラを凝視している。
そして返答する。
「ごめんなさいね。これは私の都合なんだけど故郷であるカンダス帝国の料理が食べたいのよ。それが作れる人に家事をして欲しいのよ。パメラさん、カンダス料理作れますか?」
パメラは無言になった。
そして重そうな口を開く。
「わかりました。それでは今日の夕食と明日の朝食はお作りいたします。その後は他の人を雇うってことですね。それでは今日の夕食の食材を買ってきます」
そう言ってパメラは外に出て行った。
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