ミカ・エンジバーグの事情1
ミカ・エンジバーグ視点です
私はミカ・エンジバーグ。カンダス帝国のエンジバーグ公爵家の長女。私を産んだ母は私が3歳のときに病気で亡くなった。その後父は再婚した。新しい母親とはあまりそりが合わなかった。
私が4歳の時に妹が生まれた。シル・エンジバーグ。父も新しい母もシルを溺愛した。家には私の居場所は何処にもなくなった。
12歳の時に家から逃げるように寄宿舎のある学院に進学した。長期休みは何かしら理由をつけて帰省しなかった。
18歳の卒業と共にガンダス帝国騎士団に入団した。防御魔法が使えるのが入団合格の是非を決めたようだった。配属は帝国内の治安維持の第三騎士団になった
騎士団入団から1年。ガンダス帝国は南方に位置するリンカイ王国に侵略戦争を開始した。
通常外征には第二騎士団を使うはずが今回は第三騎士団が外征することになった。
噂では私の父親であるエンジバーグ公爵が戦争を強硬に推し進めたようである。また第三騎士団の外征もエンジバーグ公爵のゴリ押しで決定したようだ。
戦争の内容については思い出したくない。兵站がメチャクチャで、長期戦不可能。破れかぶれの特攻で包囲され蹂躙された。孤軍奮闘するも結局虜囚の身となった。
カンダス帝国の侵略戦争は大失敗に終わった。戦後処理では捕虜は身代金を払うと返される。私は公爵の長女のため身代金も通常より高くはなる。しかしエンジバーグ公爵家が払えないほどの額ではない。
周りの捕虜が身代金を支払われて帰国するのを見ていた。数日が経ち、周りから捕虜が全ていなくなって自分1人になった。
そしてここの司令官に呼ばれた。エンジバーグ公爵家は身代金を払わないと通告があったと言われた。また帝国も肩代わりしないとのこと。
頭の中が真っ白になった。
星をいただけると励みになります。どうぞよろしくお願いします。