シンギ・ファイアールとの会話
まだ現実感がわかない。
取り敢えず手紙を胸の内ポケットに入れパーティー会場に戻る。
パーティーもそろそろ終わりのようだ。
僕たちも帰るとするか。
そう思っていたら男性が近づいてきた。
父親のシンギ・ファイアールだった。
「どうだい。パーティーは楽しめたかな?」
軽い調子で話しかけてきた。
僕も軽い調子で返す。
「おかげ様で楽しむ事ができました。ただパーティー開始の挨拶には驚かされましたけど」
シンギは笑いながらこたえる
「アキ殿には悪いと思ったがファイアール公爵家の決意を分家とアキ殿に伝えたくてな。あの言葉に嘘はない。時間はいくらかかっても良い。私が死んだ後でも構わない。まずはAランク冒険者になって欲しい。いくらでもサポートする」
最後は真剣な目をしていた。
「わかりました。僕のできる範囲で頑張ってみようと思います」
そう返した。
シンギはミカに顔を向けると言った。
「ミカ殿、アキ殿をよろしく頼みます。まだまだ子供なので。困ったことがあったらすぐに相談してください。できる限りの事をさせてもらいます。それでは他の出席者にも挨拶をしなければならないのでこれにて失礼します」
そう言ってシンギは離れて行った。
「お父さん、随分変わっちゃったわね」
「そうだね。やっぱりAランク冒険者になってみないと分からない事ばかりだ」
「Bランクダンジョンを後3つ制覇よ。大変だわ」
魔法学校との兼ね合いを考える。
「本格始動は僕の10代後半かな?」
「それ以上あとだと私の年齢が厳しくなるからね」
そうミカが眉間にシワを寄せて言った。
「了解しました。それではお姫様帰りましょうか」
僕はおどけてそう言った。
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