アクセサリーショップ
僕は少し落ち着いたので話を始める。
「先程いた少年はカイ・ファイアージ。ファイアール公爵家の分家であるファイアージ家の嫡男だ。昔からずっと突っかかてくる嫌味なやつだよ」
ミカが首をかしげて言った。
「ファイアール公爵家の分家なら今ならアキくんを干渉しないはずでしょ?」
「それが魔法学校にいて今日ボムズに着いたみたいで公爵家からの通達をまだ知らないみたいだ」
「そうなんだ」
「カイはミカも知っているシズカ・ファイアードが好きなんだよ。シズカの婚約者である僕の弟のガンギのほうがカイより立場が上だから、カイは何もできないんだ。それの腹いせで僕にいつも絡んでくるんだよ」
「とんだ災難ね」
ミカの口調は呆れていた。
「そうなんだよ。僕には全く関係ない話なのに巻き込むなって思うよね」
ミカに話していたらイライラが落ち着いてきた。愚痴るのもたまには良いもんだな。
その後洋服屋をぶらつき、最後にアクセサリーショップにミカを連れてきた。
ミカが不思議そうな顔をしている。
僕はアクセサリーを見ながらミカに話しかける。
「朝に出かける時に僕の髪色である水色のワンピースを着たかったって言ってくれただろ。僕もミカの髪色である黒のものを身に付けたくてね。ミカには水色のアクセサリーを買うからそれを身に付けて欲しいかな」
話を理解したミカの顔が喜びに溢れている。
「指輪が良いかな?それともペンダント?ブレスレットも良いわね」
喜色満面で選び始めたミカを見て、僕はミカを連れてきて良かったと思った。
アクセサリーはお揃いのチェーンを買ってミカは水色の石のペンダントトップ。僕は黒色の石のペンダントトップにした。
「明日の焦土の渦ダンジョンを制覇したら、今度はお揃いのブレスレットを買おう」
「約束したからねアキくん。私明日は頑張るよ」
カイと遭遇して嫌な思いをしたが、最終的には気分良く帰ることができた。
夜に装備の点検をする。
明日は焦土の渦ダンジョンの制覇を目指す。
MAPを確認する。全6階。
ボス部屋までの最短距離で約13キロルくらいだ。足場が悪いから走り抜ける事はやめた。
一回の戦闘時間も短いため、問題無く1日で帰ってこれる。
あとわからないことは4〜6階層のサラマンダーの強さがどれくらいなのか?ボスモンスターの皇帝サラマンダーがどんな感じかくらいかな。
行ってみないとわからないもんね。
冒険するのが冒険者。全部分かっていたらワクワクしないよね。
胸のペンダントトップを握りしめて眠りについた。
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