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困難なコミュニケーション

ミカに話しかけてみる。


「お腹は空いてない?少し早いけどお昼ご飯にしようか?」

「………。」

「返事が無いなら肯定とみなすね」

「………。」


そう言って近くの定食屋に2人で入った。

中年の女性がカウンターの奥にいた。


「いらっしゃい!注文は?」

「僕は日替わり定食かな。ミカは何にする」

「……。同じで」


やっと声が聞けた。少し嬉しくなった。

カウンターの奥に聞こえるように注文する。


「日替わり定食2つお願いします」

「はいよ!」


改めてミカを見る。長めの黒髪をポニーテールにしている。切長な目と鼻筋が綺麗に通っている。唇の厚さもバランスが良い。見つめていると吸い込まれそうな瞳。帝国の上級貴族のため所作にも品を感じる。


「まずはお腹をいっぱいにしてから宿を取ろうか。僕はまだ冒険者ギルドの宿泊施設を使っているんだ。そろそろ移ろうかと思っていたからね」

「………。」

「本当に喋らないんだね。まぁ良いか。宿についたらいろいろ話そう。まずは腹ごしらえだね」


笑顔で話しかけるがミカの反応は無い。ちょっと心が折れてくる。

日替わり定食を食べ定食屋を出る。

中央通りを冒険者ギルドに向かって西に歩く。ミカは歩いている時も全く口を利かない。

会話の無いまま冒険者ギルドに着いた。


冒険者ギルドの受付でいつも応対してくれる職員がいた。


「宿に移ろうと思うんですけどお勧めの宿はありますか?」

「それならば北区にある安らぎ館がお勧めですよ。価格も手頃ですし、ご飯も美味しいですよ」

「ありがとうございます。それではそこに行ってみますね」

「中央通りから大通りを北に曲がってすぐだからわかりやすいと思いますよ」


ミカの無表情に気疲れしていたのか女性職員さんの笑顔に癒されてしまった。


冒険者宿泊施設に残していた私物を持って安らぎ館に向かった。

中央通りから大通りに入ってすぐに安らぎ館は見つかった。4階建てのシックな建物だ。


部屋はシングル2部屋で一泊10,000ミラだった。

まぁこのくらいなら大丈夫だろう。食事は一食800ミラ。身体を拭くお湯は無料だ。


「ミカ取り敢えず装備外したら僕の部屋まで来てね」

「………。」


ミカは何も言わずに自分の部屋に入っていった。

「ハァー」っとため息をついて僕は自分の部屋に入った。

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