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ドールハウス

「一応聞くけど、こいつ封印できるか?」

「封印ネェ、そんな能力を搭載しているように見えてるのかィ?」

「見えない、愚問だった」

「まあ、手段はあるサ」


 え? あるの? 動かなくなるまで殴り続けるしかないと思ってたが。


「シンの旦那の人形に意識をぶち込んでしまえば良い。あの人形はここの産物であってそうじゃない異物サ。閉じ込めて塔の外で改めて壊せば終わり」

「なるほど。で、それはお前ができるんだな?」

「移動くらいなら、まァ」

「じゃあやってくれ」

「あいヨ」


 アイドールの姿が薄れていく、それに伴って舞台もひび割れていくか。それじゃあここから出ますかね。


「ん? どうやって出るんだここ」

「さァ?」

「このままだとまずいよな」

「確実にそうだろうナァ」


 これが最後っ屁かよ!?


「アハハハハハハハ!!!!」


 アイドールの声、いや、それだけじゃない、崩れた形のアイドールが無数に湧いて来やがった!?


「はぁ!? ふざけんなよ!?」

「ニガサナァイ、ヨォ?」

「しつこい奴だな!!」

「アハハハハハハハ!!!!」

 

 ダメだ、話をするとかそういう状態じゃねえ。


「何かするにも、もう時間が」


 何か、出る方法を


「仕方ないでしゅ」


 この声は、どこかで、


「境界、断絶、何するものぞ、我が翼を阻む事能わず」


 え? なんか引っ張られ、


「止まり木が折れたら困りましゅからね」


 ヤタ、お前


「サービスでそっちの人形も追い出してやりましゅ。後始末もやっておくでしゅ、感謝してほしいでしゅね」


 意識が、また


ーシンoutー

ーヤタinー


 はぁー、全く手のかかる止まり木ですね。この程度の精神世界なら勝手に出入りできるくらいの度量を見せつけて欲しいんですが?


「まあ良いでしゅ、こうやって助けてやれば喜んで止まり木の役目を果たすでしゅ」

「ニガサナァアアアアアアアアイ」


 搾りかすが暴れていますか、そんなものを振りかざしたところでなんの意味もありません。なぜなら、私の翼は全てをすり抜ける。


「なんでしゅか? 確か、無理・無駄・無様の三拍子でしゅか? 今のお前にピッタリでしゅ」

「アアアアアアアアァアアアアアアア!!!!」

「怒ったでしゅか? 怒っても怒らなくても同じことでしゅ。当たらないんでしゅよ」


 学習しない奴ですね。だから負けるというのに。


「ああ、それと。あと2回でしゅ」


 このカウントダウンが終わった時、それがこいつの最後です。



「キィアアアアアアア!!!」

「はい、あと一回でしゅ」


 次にすり抜けたら。


「はいおしまい。はい終わりでしゅ」


 自慢の白翼から、今まで我をすり抜けた攻撃を放つ。飛べない翼にも使い道はあるものですね。


「どうせこれでも湧いてくるでしゅ、少しの時間が作れればそれで良いでしゅ」


 パキパキ、ガキガキと崩れた人形がまた組み上がる。また立ち上がる。これが不屈の勇者ならまだ見れたものを。


「ぶっ壊してやるでしゅ」


 すり抜けた攻撃からこの場所と敵の構造を把握、存在証明確立、反対存在の抽出成功、構築瓦解計算終了、結合開始、対消滅結界起動


「さかしまに、まみえることぞ、さいわいか、けがれもはれも、もろくはかなく」

「あ、ぁ、ぁ」


 ぜーんぶ消えてなくなれば良い。そうすればもう2度と止まり木を害することもない。正直に言うと、我の結界まで使う必要はなかったけど。イラついたので叩き込みました。


「我のものに手を出したのが運のつきでしゅ」


 まあ良い、これで綺麗さっぱりなくなった。我に精神世界で喧嘩売るなんて。身の程知らずとしか言えませんね本当に。


「さて、戻るとするでしゅ」


ーヤタoutー


「……戻って来たんだな」

「そのようで」


 目の前には動かないアイドールの抜け殻、そしていつの間にか分離していたカタハが持っているのは俺の人形。


「そこに、いるんだな?」

「もちろん。あての中の何かも言ってるサ。こいつを壊せってネェ」

「さて、どうしてくれようか」


 ラァをおぶって塔を出た後に踏み砕けばいいか。


『ダンジョン番号3番。「自律式人形は偶像の夢を見るか」の攻略を確認いたしました。特殊条件である人形への封印も達成されましたので、賢者の石がこっそり作った非売品をお贈りします』

「おわっ!?」


 目の前にはなんか落ちて、いやこれって……?


「ドールハウス……?」

『こちらのドールハウスは、賢者の石の超絶最高技巧が詰め込まれたものです。内部は最高の治療を約束する空間となっております。製品名を「ナイチンゲール」といって、先程生み出したご自身の人形が起動トリガーとなりますので破壊なさらないようにご注意ください』

「今すぐラァを入れるぞ、手伝ってくれ」

「シンの旦那? 少しは疑ってみても良いんじゃあないかィ」

「ラァが治療できる可能性があるならなんでもしてやる」

「……分かったヨォ、聞く耳ないって事が」


 ドールハウスを開けて、人形を放り込む。


「アイドールちゃんの、おうちにようこそ☆」

「お前、俺の妹を治療できるんだよな?」

「ひっ!? と、当然ですご主人様!! このアイドールちゃんはそのように再プログラムされました☆」

「なら良い、早くしてくれ」

仰せのままにご主人様(イエスマイロード)

「傷の一つでも残してみろ、今度こそ叩き潰すからな」

「わ、分かってます!! 全力全開でやらせていただきます☆」

 




【ナイチンゲールinアイドール】

皆さん、驚くべきものが生み出されてしまいました。空間圧縮型高性能治療装置「ナイチンゲール」に最高性能の人形が入れ込まれたことで、なんと、治療効果は、そのまま!! 

そもそもの効果がハイエンドですので悪しからず。

これからも賢者の石をよろしくお願いいたします。

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