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剣王

「お初にお目にかかります。私は剣王様の執事を務めさせていただいておりますアーパと申します。どうかお見知り置きを」


 知らない奴が目の前に立っている。それはまあ良い、問題は賢者の石が察知できなかったことだ。


 全方位見えているに等しいはずなのに、全く前触れがなかった。どういうことだ。


 それに、俺が剣王のところに行くと決めたのは今さっきだ。それをなんでタイミングまで測ったように出てこられるんだ?


まさか、ずっと見られていたのか。


「……なんでここに?」

「おや? 妙なことを申されますな。貴方様は剣王様に招かれました。であればこうしてお迎えに上がるのが筋、というものでは」

「いつからだ。いつから居た」

「はて、私とシン様は初対面のはずですが。いつも何も、今ここですが」


 察知不可能な瞬間移動? いや、それだとタイミングまで測れないはずだ。


 ならば内通者か。容疑者は1人。


「陛下、これはどういうことですか」

「む? 随分と早いな。驚かせようとしたのだが」

「死ぬほど驚いてますよ。それで、この不審者は誰なんです?」

「この男は剣王直属の執事、招かれた場所にはいつでもどこでも現れる不可思議な技を持っている」

「それは、暗殺し放題では?」

「ははは、そんな事はないさ。その程度の者は国の要職になどなれぬ」

「まあそれは置いておきます。では今このアーパとかいうのが出てきたのは陛下が招いたからで間違いないですね」

「そうなるな」

「なるほど、分かりました」


 確認終了。次は目の前の奴を測る番だ。


「シン様、剣王様がお待ちです。剣王様のところまでご案内しますので手をとっていただけますか」

「……この状況でその手を取る馬鹿だと思われているのか」

「おや、見透かされますか」


 一応証言は得ているが、信用ができるわけではない。そもそもどうやって出てきたのか分からない相手の導きに従ったら、その後に死地に送られても文句は言えない。


 ここで俺が取るべきなのは、剣王の目的とその理由を少しでも聞き出す事だ。


「ですが」


 高速、いや点移動か、これは読めるな。後ろに回って俺の手をとって強制連行って腹か。


 やらせねぇぞ。


「随分と性急だな、時間制限でもあるのか」

「っ!? つかまれるとは驚きました」


 手に触れるのはダメっぽいからな。手首から抑えさせてもらった。


 もしかしたら触れる事自体がダメな可能性もあるが、一つ確かめたいことがあった。これは触れなきゃ分からない。


道具の使い方は触らなきゃ分からないんだ。


「へぇ、お前の手に装着されてるものがタネってわけか。その使い方は誰に聞いたんだ?」

「なんのことやら分かりませんね」


 いきなり目つきが変わった。これは結構な秘密に触れてしまったか?


 とりあえず分かった事は2つ。一つ目はこいつの手に嵌められている手袋は物体転送能力があり。手のひらで触れることで起動可能。


 転送先は指定可能。今はどこになっているのやら。


それで2つ目だ。これは賢者の石製品で間違いない。つまりは剣王かその側近は賢者の石製品を手に入れかつ使い方を教えられるって事だ。


「分からないなら良い。俺はここから離脱するだけだ」

「できるとお思いですか?」

「できないなら言わないだろ」

「……舐められたものですね」


 まあ、地力だったらこいつの方がずっと強いだろう。鍛え上げられた戦士の空気を纏っているしな。


 だが、それは俺が単独だったらという前提に基づく予想だ。俺は孤独か? いいや違う。


「この距離では避けられませんよ!!」


 掴んでいない方の手で攻撃、まあそうなるだろう。


 読めてはいるが、本気で動いてきた一撃を止めるには少しばかり力不足なようだ。


「じゃあすり抜けようか」

「っ!? これ、は」


 ヤタの壁抜けで攻撃を避ける


「動揺したな? 動きが止まれば当然こうするぞ」


 アルカからもらった桜腕で腕を絡めて封じる


「な、腕が木に!?」

「これで腕も動きも封じた。何か言う事はあるか?」


 はい終わり。腕から全身を絡めとった後に木に埋め込むような形で固定した。木に埋まった姿は滑稽だがこの拘束はなかなか解けないぞ。


「おのれ……」

「剣王のところには自分で行くからそう伝えてくれ。1時間くらいで拘束は解けるから、それじゃあな」


 長居するともっと面倒なことがあるかも知れない。少しゆっくりとしたかったが、仕方ないな。

 

「うわぁ、すごいなこれ。僕でもここから出るのに一瞬かかるかもしれない」


 また別の奴か。同じ現れ方をしたから仲間の可能性が高いな。輝くような金髪に、2本の剣、二刀流か?


「あー、君だなあ? あんまり僕の配下を虐めないでくれるかい。慎重さは美徳だけど、過ぎれば毒だよ?」

「はいはい今度は説教か、ん? 配下?」


 となると、今ここにいるのは?


「剣王、直接会うのは久しぶりになるな」

「元気そうで良かったよ盾王」

「……本人か」


 盾王が嘘を言う必要がない以上は剣王本人か。槍王といい剣王といい、王様ってのは配下の危機にあんまり飛び込んでくるもんじゃないと思うんだが、どうやら違うらしい。


「剣王陛下、私にどのような御用があるのでしょうか? 恐れながら私にはこのように来ていただける心当たりがありませんので」

「君にはなくても僕にはある」


 これは一方的な要求が来るか?


 逃げられる準備はしておこう。幸いスカイフィッシュ改めスレイプニルもあるしな。


「僕と友達になってくれないかな」



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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新ありがとうございます。 強いなぁ
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