吹き嵐 1
強風の壁に囲まれているな、嵐の中か?
なんにせよさっきまでいた場所とは全然違う、移動させられたな。
「やぁ、見事にやってくれたね」
「ここは……そういや火吹きの時もこんな風になってたな」
「うん。本当はねもう手放しでクリアって言ってあげたいんだけどさ」
「駄目なのか」
「そうなんだよねえ、吹き嵐として試練を課さないといけないみたいだ」
「確か火吹きは熱を示せって言ってたな。お前は何を求めるんだ?」
まあ、何を示せと言われても正面突破できる装備があるから問題はないが。
「始めようか。人間よ、我に自由を示せ」
「くっ……!?」
風を正面から浴びて一瞬の隙を作られた。その間に姿を消したみたいだな。
賢者の石の索敵には引っかかってない。今いる空間はきっと吹き嵐の腹の中だ。周り全部あいつなら、そりゃあ探すのは無理だろう。
「とはいえ、備えはしておこう」
フリズは未だ玉座の形、これをバリスタに戻しても良いんだが。それで1発撃ってはい終わりとはならないだろう。
対応力を考えると、ここは複数の手段を温存しながら探りを入れるのが良いな。
「カタハ、分離」
「あいヨ」
「勅令」
「鎧だネェ」
「ああ、頼む」
「合点サァ」
前に使ったのは槍王のところに姉さんが来た時か。その頃よりも洗練されたものに仕上げてやろう。
動きやすく、目立たず、使いやすいものをだ
「真鎧骨格ってとこか」
黒い鎧に光る深緑の線が走っている。賢者の石の熱量によって補助されるから運動性能は折り紙付きだ。
アルカとオゼロは待機状態で、急な事態に備えさせる。
「さあ、どう来る?」
と言ってから。
すでに。
大分時間が経っている。
「何もないって事はないだろうが……」
ヒントはひとつ、自由を示せだ。
自由を示すのは必ずしも戦闘じゃないということか。となれば思考を切り替えよう。
自由とは、まあ、縛られず囚われず思うままに振る舞うって感じだろうか。
であれば、今の俺はどうだ?
嵐の中に居て、まさに囚われって感じじゃないか?
これじゃあ確かに自由じゃない。
ならばどうする、俺がするべきは自由の獲得。
つまるところそれは、壁の、破壊!!
「やってやるよ、それが自由なんだろう? せっかくだから、このままやろうか」
それじゃあ槍を用意するとしよう。
今回はオゼロとアルカで組み上げるぞ。
「勅令」
「オイラの力が必要なんだな? ぶちかませシン!!」
「アォォォォォン!!!」
「さっさと出よう。こんなところ」
オゼロからは水の属性を、アルカからは風の属性を抽出する。それをグングニールに乗せて放つんだ。
純粋な熱量の塊とは違って相性の概念が生まれてしまうが、熱量の総量はこっちの方が大きい。
「二又槍」
2属性を帯びたグングニールがどこまでの効果を発揮するのか、予測はついているが実際どうなるかは未知数だ。
だが、同時に確信もしている。
きっと凄いことになるってな。
「グングニール・アルカオゼロ」




