試し書き。オチはない
オチはない
テスト···それは運命を決める大事な行事··。
ある者は笑い、ある者は泣く··そんな熾烈な戦いだ。
いよいよテスト返しが始まる。
「次ー。二十五番、さとーう」
心臓が高鳴る。
外に聞こえているのでは?と疑いたくなるほど力強く、
せわしなく拍動している。
教師は私に答案を渡すと一気に興味を失った顔で次の名前を呼ぶ。
「次ー。二十六番ー··」
もう、緊張と手汗で上手く答案が開けない。
開くのに苦戦しながら席につくと
先生が全員の答案を返し終わったようで、
平均点が悪かっただの、赤点が居るだのと話しているのを聴き流しながら、
答案を開け、恐る恐る目を細めて点数をみようとした瞬間、
「あー、佐藤。お前留年な。惜しかったなー、あと一点だったんだがなぁ。また来年頑張ろうな」
「ま、マジかーーーーーーーーー!!」
細めていた目をカッと開いて点数を見ると、19点の赤文字の横に、ご丁寧に《3回位見直したから、採点ミスはないヨン^_^》とメッセージが添えられていた。
「まあ、一人留年する奴が出たが、それ以外は卒業できるぞー。少し早いが··、卒業おめでとう」
何事も無かったかのように仕切る担任、膝から崩れ落ちた私、卒業の言葉に浮つくクラスメイト、教室が一気に賑やかになった。