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77.シオリの反論

 高校時代のシオリだったら、こういう剣呑な状況では萎縮して何一つ出来なくなっていたはずだが、ミキやユキのおかげで大分前向きになっていたので、一瞬たじろいだものの立ち向かう心の準備が出来た。


 威圧の言葉が風圧を伴って顔に吹きかかるも、シオリは物ともしない。


「高校時代の先輩です。お付き合いしたことはありません。それはご本人が――」


「その本人が言っているのよ、付き合っていたって」


 まさか()められたのかとシオリは焦燥する。


「そんなはずがありません。お付き合いしていません。お付き合いする前に振られました」


「振られた?」


 ヒメコが鼻で笑った。シオリは、その態度に腹を立てて睨み付ける。


「嘘よね?」


「全て本当です」


「本人が『付き合っていた』と言っているのだから、間違いないわ」


「なぜそんな話になっているのか理解できません。マサキ先輩をここに呼んでください。いえ、ここですと他のお客様のご迷惑になりますから、よそで話の続きをやりましょう」


「もう一度()くわ。あんたはマサキのなんなの?」


「ですから、単なる先輩です」


 すると、遠くの方から「うるさいから、喧嘩なら外でやってくれ」と男性の声がかかった。


 急にヒメコが声のトーンを落とした。


「なら、今後マサキに近づいたら承知しないからね」


「近づきません」


「もう一つ教えて」


 ヒメコは身を乗り出した。

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