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75.店の秘密は教えない

 マサキは、シオリが何かを知っていると確信したようだ。


 それで、深掘りして聞き出そうと「知っていることを教えて欲しいんだけど」と前置きしたが、トイレの奥で個室のドアがバタンと閉まる音がした途端、「また後で」と言い残して、素速く自分の席へ戻っていった。


 シオリは、衝立に背をもたれて聞き耳を立てる。


 するとコツコツと足音が近づいてきて、シオリの後ろで乱暴に腰を下ろす音がした。もちろん、ヒメコの仕業だ。


「ここのトイレ、狭いし、綺麗じゃない。掃除しとけって、あの店員に言えばいいの?」「帰りに言っといたげる」


「あの店員、ポンコツロボットよ。知ってる? こっちの質問に答えないときあるの」「安物のアンドロイドだろうからね」


 またシオリが拳を握りしめた。


「ねえ、マサキ。今日のSFは、どう? いけてる?」「話の切り替え、はやっ! これから注文」


 読む気がない本をよくもまあ注文するものだと、シオリは呆れて物が言えない。


「そうだ。調べてみた? SFの短編で『AIが小説を書く』って入力したら、どんな小説が出来上がるか? 裏側の情報とか書いてくるのかしら?」「さあね」


「隣のサーバー室で書いているのかしらねぇ?」「特有のファンの音、しないけど」


 シオリは、お茶を運ぶセバス君が書いていることを絶対に教えるものかと決意して、フンと鼻を鳴らした。

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