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63.仲良し二人組が仲良し四人組になった
その後、シオリはAI新書店別館へ日参した。サークル活動そっちのけで入り浸り、1杯のソフトドリンクで長い時間を粘る。
ユキは週3日のペースでやってきた。小遣いは全部この店につぎ込む覚悟だが、足りないので、簡単なバイトも始めたらしい。
二人は店の左奥のテーブル、そこが空いていなかったら別のテーブルで相席し、互いに執筆の近況を伝え合った。活動報告が一通り終わると、AIに小説をいくつか書いてもらってそれらをむさぼるように読み、時にはスマホを交換して互いに書いてもらった小説を読んだ。
ミキもカンナも、シオリとユキを通じて紹介され、仲良くなった。
さすがに1テーブルには二人までしか座れないので――テーブルに2次元バーコードが2つしか表示されないため、三人以上が来店したときは2つのテーブルを占拠することになる。
こうして、仲間が増えて楽しいひとときを過ごすシオリたちだったが、この後、とんでもない展開が待ち受けていたのだった。
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