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58.筋書き指定コースのコツ

 ユキは豊富な経験があるようで、それを披露するのが嬉しそうな表情で語り始める。


「本来なら、あらすじはコンパクトにまとめて、読み手の興味を誘うように書くのですが、筋書き指定コースのあらすじは、起承転結をはっきりさせるようにして、長めに書くのです。すると、書き手の意図通りに小説を書いてくれますよ」


 表情と発言のトーンからは、まだシオリをこちら側の人――作家かもしれないと思っている様子がうかがえる。


「プロットみたいなものですか?」


「構想レベルではダメです」


「小説の縮小版くらいに?」


「縮小版……。その表現で意味が通じるなら、それで」


「そうでしたか。あらすじというから、てっきりSNSの長めの投稿くらいの文章量をイメージしていて。具体的には、100文字とか200文字程度で書いていましたが」


 本当は、矛盾して夢落ちばかりだったことは封印する。


「それですと、意図通りに仕上がらなかったですよね?」


「ええ」


 もちろん、嘘ではない。しかし、ユキは別の意味で捉えている。


「私も、おかしいなぁと思ったんです。話が変な方向へずれて、無理矢理あらすじに合わせるように話が引き戻される。あらすじの行間を埋める言葉やストーリーが、どこかの人気小説の切り貼りっぽくなって、しっくりこないのです。わかりますよね? それで、情報量が足りないのだろうと思って、長めに書いたら、脇道に逸れなくなったのです」


「なるほどぉ」


 シオリは感心してみせるが、内心自分はそれ以前の問題だと自嘲する。

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