24.ホームページ上での個人情報登録
ミキはAI新書店別館のホームページのURLを書いたメモをシオリに渡してURLを直打ちさせ、会員ページから携帯番号、メールアドレス(携帯、PC)、住所、氏名、ニックネーム、生年月日、パスワード、それを忘れた時用の秘密の言葉、好きな小説のジャンルを登録させた。シオリは、クレジットカード番号は『後で登録』を選んだが、それ以外はすべて登録を終えてフーッと息を吐いた。
「これでシオリは、次回からメールアドレスとパスワードだけでログインできるから。あっ、さっき教えたURL、ブクマしてね。検索エンジンで『AI新書店』なんてキーワード入れても出てこないよ」
「結構、個人情報登録させられたけど」
「お金が絡むから、このくらいは普通じゃない? 会員ページからAIが執筆済みの本とか他の書店でも発売済みの本を注文出来るし。支払いにはこの店内の飲み物代支払ったときに登録するクレジットカード番号が流用される。あっ、クレジットカードの情報は後でも書き換えられるよ」
「クレジットカード番号欄が空欄だったけど」
「まだ払っていないし、現金で払うなら最後まで空欄」
「ところで、この店に来る前に、ここのページで事前に会員登録できるの?」
「出来ないよ。この店に入った――つまり、セバス君に登録された客だけ、そのホームページが表示されるから」
「徹底しているのね……」
「ちなみに、セバス君に会員登録されていない客――検索でここが見つからない客――が、このAI新書店別館のホームページのURLを盗み見して直打ちすると、どうなっていると思う?」
「普通の本屋さん?」
「『工事中』。だから、会員ページへのリンクなんか、当然ない。……この店は、秘密基地みたいなものさ」
「だから、隠れ家……」
「やっとわかった?」