14.要素の数々(2)
3)作品の特徴
小説全体の特徴であり、章ごとに変えることはできない。
項目は200種類を優に超えるのだが、ほんの一例だけを上げると、異世界転生、異世界転移、異能力、超能力、チート、バトル、勇者、聖剣、宝具、魔法、魔導師、魔法使い、魔女、魔王、魔物、精霊、妖精、エルフ、スローライフ、ラブコメ、BL、ハーレム、悪役令嬢、スリリング、パニック、エイリアン、アンドロイド、ロボット、旅行、探検、漂流、戦記、グルメ、ジャズ、クラシック音楽、J-POP、ハッピーエンド、バッドエンド等々。しかも、これらを複数組み合わせることが可能なので、その数は膨大なものになる。
これらは特徴――他と比べて目立つ点――というよりは小説に含まれている要素に近いが、店側が『特徴』と言っているので突っ込まないこと。また、偏りが多くて「あれはないのか」「これもないのか」と言いたくなるが、AIが書ける範囲だと思って目をつぶろう。なお、R18指定の作品をAIに執筆させることが出来ないので、そのような要素はない。
この特徴に関しては、自由記述が出来ない。これ以上複雑にしてどうする的な店の考えも垣間見られるが、書き始めると切りがなくなるのは容易に想像が付く。
もし、用意されている要素よりもっと細かく指定したい場合は、要素指定コースではなく、筋書き指定コースになる。つまり、用意された要素をある程度指定したら残りはAIにお任せというのが要素指定コースなのだ。
なお、残虐な場面が含まれそうな要素を選ぶと、自動的にR15指定になる。元々、そのような場面が小説に登場すると自動的にそう判断される仕組みになっていて、完全お任せコースでAIが残虐な場面を書いてしまう場合が稀にあるのだが、その場合も自動でR15指定になる。また、ハッピーエンド、バッドエンドといった真逆の要素を組み合わせた場合は、AIがエラーと判断する。
「――とまあ、こんな感じだけど。フーッ、……マジで疲れたわ」
そう言って盛大にため息をつくミキを見てシオリは感謝の意を表した後、シオリ自身も感嘆する。
「とにかく凄いわ。作品の特徴がこんなにたくさんあるとは驚いた」
画面を何度か上下にスクロールさせながらシオリが改めて目を見開くと、ミキが身を乗り出した。
「でしょでしょ?」
「これらを指定すると、それに従って、全部盛り込んで小説を書いてくれるのでしょう?」
「そうそう」
「なんだか、AIが作る小説に自分が関与する感じがして面白い。ワクワクしてくる。出来上がった小説が他の読者にも読まれるのでしょう、48時間後に?」
「そう。出来た小説が面白かったら、『自分のおかげでこれが出来たんだ』って得意顔になるよ」
「ああ、早くやりたいなぁ。――とその前に、もう一つのコースは、何だっけ?」
「筋書き指定コース。それは画面を一つ戻って、もう一つのメニューを見ればわかる」
シオリは、早速戻るボタンをタップした。