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118.ユキとの和解

 廊下をうつむき加減にゆっくり歩くシオリが、ノロノロと階段を上ってふと斜め上を見ると、ミキとカンナとユキが待っているのが見えた。慌てた彼女は、階段の途中から駆け上がる。


「ごめんなさい、お待たせしちゃって」


 ミキがすかさず、シオリに尋ねた。


「セバス君、なんか言ってた?」


 シオリは無言で首を横に振る。


「そっかぁ。目を開けてたから、うちらの行動を見てたと思ったんだけど、攻撃で記憶が飛んだのかなぁ?」


 シオリもカンナもユキも、ミキの説に同時に(うなず)いた。


「なんか、ドリンク一杯くらいごちそうしてくれてもよかったのになぁ。ご苦労様って。そのくらいの活躍だと思うけどねぇ。残念。……あっ、厨房の人、倒れていたから出せないか」


 すると、カンナが手を上げて提案した。


「みんなで打ち上げやりませんか? その辺の喫茶店で」


「おおっ、いいねぇ。本は書いてもらえないけどね」



 四人は近くの喫茶店に入り、四角いテーブルを囲んで座った。つい癖でスマホをテーブルに近づけるシオリは、ミキとカンナに笑われた。ここはAI新書店別館ではないので、着席したテーブルに2次元バーコードは表示されないのである。


 みんなでメニューを回して飲み物を注文し終えると、ユキがモジモジしている。それに気づいたカンナが促すと、ユキがシオリに深々と頭を下げた。


「シオリさん! 今頃謝るのも遅すぎるって怒られても仕方ありませんが……あんなひどいことを言ってしまってごめんなさい!」


 もちろん、マサキの発言に振り回されたことだ。


「誤解は誰にでもあるから、大丈夫よ。あの状況では、マサキさんの言葉を鵜呑みにしてしまっても仕方なかったと思うから」


「でも、きっと……きっと、傷つけちゃいましたよね!? 本当に、ごめんなさい!」


 それからユキは、あの後のことを語り始めた。

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