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107/121

107.DDoS攻撃

 客全員の視線を全身に浴びて、ユキは「え? え? え?」と(ろう)(ばい)する。


「ユキ、大変だよ! セバス君がぶっ倒れた!」


 カンナの言葉に、客たちは「セバス君って誰?」とザワザワし始める。


 ユキはカンナへ目を向けた途端、そばにいるシオリが視界に入ってギョッとし、肩にかけたショルダーバッグを危うく落としそうになった。それから、目を開けたまま床に転がっているセバス君を発見し、眼球が飛び出るくらい目を見開いた。


「ユキさぁ、なんで入れたの?」


 客全員の疑問を代表してミキが尋ねると、ユキは肩をすくめ、身振り手振りを交えて答えた。


「わかんない。扉の右のボタンを押してもセバス君が開けてくれないから、試しに押してみたら普通に()いた。――あっ、みなさん、セバス君ってバトラーとかマイケルとかルークとか呼ばれているここの店員さんのことです」


 ユキの解説に、客達が「なるほどぉ」とシンクロして声を上げた。


(なんで、セバス君が中から開けなくても外から()いたのだろう?)


 シオリが不思議に思ってセバス君の顔を見ると、彼が口をゆっくりパクパクさせて何かしゃべっているように思えた。しかし、BGMによって声が聞き取れない。


「なんか言ってる!」


 シオリは床に膝を突いて、彼の口元へ左耳を近づける。


「……受けて……いる…………D……DoS……攻撃……」


 聞き慣れない単語が耳に飛び込んだシオリは、意味はわからなくても、彼の言葉を皆へ聞こえるように大声で復唱する。


「受けている、ディー、ドス、攻撃」


 ミキは喜色満面になって「ああ、そっか!」と叫び、ポンと手を叩いた。


「DDoS攻撃――Distributed Denial of Service attack――って奴だ」


「何それ?」


 シオリは意味がわからず、頭の上に疑問符がいくつも湧き上がった。それは、ミキ以外の全員がそうだった。

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