第5話 魔法学園の優等生 (英雄モテモテの巻)
全然、魔法が出てきません。
「何故こうなったああああああああ!!!」
はい!!ここは生物準備室です。
英雄くんが叫んでいます。
時は放課後。
何故英雄が叫んでいるかというと
目の前にいる人物がその原因であり、英雄がもっとも苦手としている人物であったためである。
英雄は基本的に空気が読めない性格の為、本人はクヨクヨや迷ったりする性格ではないのだが
目の前の少女は英雄にとって天敵であった、
あのAIシリカさんにさえ英雄は苦手意識を持たず
図々しく付き合い剰え口喧嘩をしてバグを発生させるという
偉業?をなしてるのにである。
「パーパどうしたの?大丈夫?」
娘のダリアは心配そうに英雄を見る。
「ああ、大丈夫だよ」と答える醜態をさらした英雄。
ダリアは、関係ない。
「先生!ダリアちゃん可愛いねエ。」空気を読まないエミリア。
「エミー・・・。あなたがこんなに痛い子だとは・・・・」
と頭を抱えるリリア、このコンビではない。
そこに
「佐藤先生?大丈夫ですか?先ほどの娘さんの件でお悩みなのですか。まあ私は先生にお子様いるとは知りませんでした。さぞご苦労なされているのでしょうね?就業の鐘が鳴った後に娘さんが来るとは思いませんでしたし。そのあとクラスが騒ぎになり先生が終息なさろうとご苦労なされたと思うのですけれど、収集がつかずに私がクラスのみんなを最終的にまとめて落ち着かせたという。教師として恥ずかしい一面を見せて心苦しいのは解ります。いい大人がみっともないですよね?私なら人生が終わったと思って学園には来られません。ああ、先生のお気持ち察します。」
グサッ!
何かが刺さった。
「でも英雄先生は、私たち生徒には紳士的でお優しいのですけれど、大人の方相手には非常に残念ということは私たち生徒は存じております。もちろん英雄先生もご自身ではお気づきでしょうが。」
「エッ?」
と思わず顔に出る英雄。
そこに
「まさかご存じなかったのですか?ミサ先生を含めたほとんどの女子教職員に好感度は底辺だという事もですか?」
グサッ!
あ、また刺さった音が。
「まあ、それはお可哀想に・・・・。社会的に死んでますね。」
グサッ!
「英雄先生はミサ先生に懸想されているようですが、嫌われていることが分かっていないと。・・・・・。
クズですね。」
グサッ!
「でも、先生良かったですね。女子生徒には慕われていますよ。だって先生は生徒には絶対手を出さない紳士ですもの。好意を寄せている生徒に気づいてるくせにごまかすテクニックは男子生徒には好感度超アップ、一部の生徒には兄貴と呼ばれれてるようですよ。」
フフフと笑う人物。
「まどかくん、僕は君に何かをしたのかな・・・・。」
ダメージを受ける英雄に。
少女は
「先生?何をおっしゃられているか分かりません?逆にお尋ねしますが何かやましいことでもあるのですか?心当たりが多くて解らないというのであれば、一度教会に懺悔するのがよろしいかと思いますが。」
さて先ほどから毒舌を吐く少女は英雄のクラス委員長にして、旧家のお嬢様で
まどかさんといい、風体は黒髪ロングにカチューシャ・眼鏡・黒ストッキングという
テンプレタイプでした。もちろん成績優秀ということは付け加えておきます。
彼女は、いつもエミリア・リリアと同じくらいに英雄のもとに現れるのですが
今回はそれに加えダリアの件で来たらしいのだが、いつの間にか通常よりも
英雄を弄っているのであった。
周りには、わが娘にダリア、突撃ヒマワリ少女エミリアに突っ込みのリリア、
そして今回のいじめっ子?まどかである。
あまりにもカオスで仕事ができない英雄は
叫ぶのであった。
「何故こうなったああああああああ!!!」と
さてこの後は職員会議に来ない英雄の元に
ミサが近づいてくるのでした。
「先生のバカ。」
どこから呟く声があったが英雄は聞こえていないのはお約束です。