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嫁を探して英雄物語  作者: ぷちな
1/20

プロローグ ・嫁を探して○○光年

初めての投稿です、よろしくお願いします。

広大な宇宙。

そこは闇と光がもたらす神秘の世界である。

その美しさとは別に生者を寄せ付けない環境と広大な空間が広がり

生物にとっては地獄でしかないこの場所も、宇宙の開拓者にとっては

宝の眠るフロンティアであり、最後の冒険地でもある。

人は新たな惑星・小惑星などの資源を求め広大な宇宙に旅立つ。


宇宙有史以来、この宇宙はフロンティアとなり多くの冒険者・開拓者が

人類の発展のため己が欲望にために宇宙に進んだ。


そして、ここにも、大いなる宇宙を旅するものがいるのだ。


それはこの広大な空間に浮かんでいる真っ白な卵がそうだ。

卵?なぜに卵?

何にもない空間に卵型の物体が漂って?いたのでした。


漂って、漂って、漂って、ただ・・・・・。


最初は小さく見えた卵だんだん、だんだんと大きくなって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 


デカかった、どデカい卵型の物体だそれも綺麗な卵型。

それが物凄いスピードだった。

天然ものでこんなものはない。

明らかに人工物であり、そこには知的な者がいるのだろう。


本当ならここにあるのは機械的な人工物が相応しいのであるが

今、見えるのは卵に他ならない。


昔のおとぎ話で言えば、『どんぶらこ、どんぶらこ』が

相応しいのであるが現実はそうではない。


さて、物語はこの卵の中のブリッジから始まるのであった。



☆☆★★★★☆☆



「あ~あ、まったく何にもねえ~。」と男はつぶやく。


「宇宙空間だからなの」とツインテールの少女が答える。


その答えにうんざりしながら男が答える。

「そうなんだけどさあ~。分かっちゃいるけど、愚痴をこぼしたくなるわけよ俺はさあ~。」

男は椅子にもたれながら愚痴る。今のところ、男にやることはない。

ただ、ディスプレイ越しの星々が映る景色を見ながら呟くのだ。


「マスター、暇ならコールドスリープでもしているの。無駄な時間が止まるの。」

少女は男のボヤキに答える。


「いやね、シリカちゃん。寝て起きての人生なんてつまんなくない?俺はこう刺激が欲しいわけよ。

こうなんというかズキューンときてバーンみたいなものがさあ。」

マスターと呼ばれた男が8畳ほどの部屋ブリッジで胸の前で腕を組みクルクルと

回った後に腕と手を広げ、大仰に椅子の上に立っている。なかなかうざい姿である。


そんな男に、

「マスター楽しいの?」

普通に答える。シリカと呼ばれた少女。

ノーリアクションであった。


「・・・・・、楽しくない。」

男はガックリと肩を落としながら。椅子に座り、どこぞのリングで白くなったボクサーの様に

真っ白なっりながらシリカに答える。



「マスター、コールドスリープしてるの。適当なポートに着いたら起こすの。今のマスターは無駄に酸素を消費しているだけなの。そういうことは陸に上がって安場の酒場で飲んだくれて、周りに白い目で見られながら1人でやって欲しいの。」

と、のたまわるシリカ。こいつもどうして結構な毒舌である。


答えたシリカに男は喰い付く。

「シリカ君、君は僕をどういう目で見ているのかね。」

と足と腕を組み鼻の穴を大きくし「フンッ」としながら偉そうに椅子にふんぞり返っている。

その一々オーバーリアクションな姿にウザサを感じられるが、周りにシリカ以外に誰もいないのは男にとって幸か不幸かは別問題で、当人は周りに人がいても気にしないだろう。


当のシリカは憐れみの目で見ながら、

「残念で可哀想な子なの。」と

ただ一言、バッサリと答え。

いつの間にどこから出したのかハンカチを目に当て、涙を拭いていた。

こいつもどうしていい根性をしている。


男はわなわなと体を震わせ、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

切れた。

「オイッ!!!!!このクソAI!!!!誰が『残念で可哀想な子なの。』じゃああああああ!!!!」

「このガキャあ!Deleteとして便所に流して銀河の海に流したろかコラア嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼!!!!!。」


おい、おい。


そして、ホログラフであったクソAIことシリカさん。

こちらも切れた、

「じゃかあしいわ!!ボケえええ!!!この30年!毎回!!毎回!!!この下らねえコントに付き合わされているこっちの事を考えろヤ!!!!なんか解らんがこの下らねえ漫才でいつもいつもシステムに1億のバグが出てそれを駆除するこっちの身にもなれやああああああ!!!ああっ、おめえは病原体か????上等じゃあ!!!!俺をDeleteしたけりゃやってみろや!!!!航行と船内生命維持システムがキレーに消えてお前はこの船と諸共宇宙に屍を曝すんじゃ!!!!!くたばりたきゃあ消してみろや!!!このチ○カス!!!包○!○漏!!!!宇宙最低底辺野郎が嗚呼嗚呼!!!!!嗚呼っ!!!このう○こが、てめえ!そんなんだから嫁一人もいねえんだよ!!!!この素人童貞が!オマケに店のお姉さんに『お金貰ってるから○○してるけど本気だったら絶対!!!!!NG』と今までのお姉さん126人全員に言われてる己には言われたくないわ!!!!!ホラやってみろやボケがテメエ1人で何も出来ねえくせに生こいてじゃねえ!!!!このクソガキ!!!!!!・・・・・なの。」


不適切な表現、失礼しましたの。AIも時代と技術と共に進歩したなの。

この時代のAIは人と同じ感情を持っているの。

人権はないけれど近い権利はありますのでご理解下さいなの。byシリカ。



マスター君かなりショックを受けました。

AIにここまで言われ凹んでいます。だが一人の男としてここまで言われて黙っているわけにはいかない!AIだろうが何だろうが。一人の男として、一人のモテない男として立った!!男として立った!!!

プル・プル・・プル・・・「シリカさんのご意見大変参考になりました。また私、佐藤英雄43歳。嫁一人もおらず独身貴族です。確かに感度良すぎて早いです。・・・・・。でも、でも。僕は包○ではありましぇ~ん!手術でバッチむけました!!訂正しなさい!!!!」

切れるところは其処かよ・・・。



応戦するかと思いきやシリカさんが返した言葉は。

「マスター。また大量にバグが出たの。マスターの皮がポー○ビッツで無いことも解ってたの。だからこれから駆除作業に入るから黙ってて欲しいの。邪魔したらこの部屋に鎮圧ガスを巻くの。マスターOKなの!!!おとなしく部屋の隅でマイ○スイーパーでもやっていろなの!!この愚図がさっさと答えやがれ!!この元ポークビッ○!!!なの!!!!」

ホログラフのシリカさんがどこぞの海兵隊軍曹さん風に変身魔法少女のごとくドレスアップ?して

マスター事、佐藤英雄君に命令後、返答を待たずその場から消えていったのでした。

残された英雄君は・・・・・未だにプルプル震え宇宙の真ん中?で叫びました。


「お前がリアルな女だったヒイヒイ言わせちゃるのに―!!」と

全く訳の解らない事を叫んでました。

実はただの宇宙冒険者と宇宙船全システムプログラムの些細?なこの会話がまさか別展開なるとは、

この二人も予測していなかったのでしたなの♡





☆☆★★★★☆☆





「マスター。バグの駆除が終わったの。」

今、マインス○ーパーを夢中でやっていた英雄の前に全統括システムことシリカさんのホログラムが現れた、で当の本人は手をヒラヒラとさて、

「お疲れさーん」と返答し、マイン○イーパーに没頭しているのであった。


その姿にいつもの事だと諦めた調子で「はあっ。」とため息を付きながら

そのまま通常の管理業務に移るシリカさんの姿はAIらしからぬ哀愁が漂っていたのでした。


まあ、普通の人間だったらこんな変な奴に付き合っていられないだろうと普通は思うので

このAIことシリカさんはよくよく付き合いがいいかMなのかは本人もよくわからない状態であり、

長い付き合いだからと世話女房かお母ちゃん的な存在なのかも知れないが、

誰かがもしこの事を告げたなら、真っ向から否定するのはもう流れしかなく、

本人の思惑と現状が合致しない状況にある意味ドラマチックな様相を醸し出していたのであった。


そして暫らく時間が経った所でマインスイー○ーに夢中のはずの英雄が呟いた。

「シリカ。俺やっぱ嫁が欲しいわ。」


今までにない突然のセリフにシリカさんもキョトンとして返事ができなかった。

どのくらいかシリカの時間が停止していたが、再度、英雄の言葉でハッとし再起動する。


「シリカ、聞いてるか?もう一度言うが、俺は嫁が欲しいって言ってんだよ。」


その言葉を聞き、『ああっ』と納得する。

「解ったの。今準備するので待つの。」

と船内の在庫を調べる彼女に英雄は腕を組み「?????」と頭の上に浮かべながら考えこんだ。

こいつ何言ってるんだろう??嫁に在庫なんてあるわけないのに???。


そんな英雄を他所にシリカはホログラフに笑顔を見せながら告げた。

「マスター。今、源次○が持ってくるの。(ニコ)」

先ほどまでのバカな会話からは想像できない見事に晴々とした笑顔でした。

何でこんなにすがすがしい笑顔をしているかと、AIに疑問を抱きつつ源次○(船内雑用ロボ)を待つのであった。


数刻の時が流れ、ドアが開き件の犬型ロボット源次○がやってきた。手には旅行用トランク位の箱であり、流石の英雄も突っ込みを入れた。

「何これ?」

思いっきり指をトランクに指しながら。切れ気味でシリカに問う英雄。


シリカは爽やかな笑顔で答える。

「マスターがご所望のダッチワイフなの。マスターも右手の恋人から卒業なの!!シリカはもう嬉しくて嬉しくて、お赤飯を炊いてしまったの!!」

本当に純粋な笑顔を輝かせるシリカ(ホログラフ)に英雄は思う。


本当に笑顔だわ。悪意がない分、滅茶苦茶たちが悪いはこのクソAI。

そして、ひざを折りorzでした。

何だろうこいつは俺がそっち方面しかメンタルはないと思ってるのか?

でなけりゃ風船人形なんて持ってこないよな。

揶揄ってるならまだいいが、どうも本気っぽいので救いようがない。

ああ、なんでこんなのが俺のパートナーなんだろ?

そう思わずにいられない英雄であった。

そして、もう怒る気力も失せ英雄はシリカに本当の意味を伝えにかかるのであった。

まあ、普段の行動が招いた結果とは人間だれしものご都合主義でそこに反省は思いつかなかったのは仕方がないのだろう。


そこで英雄はコホンと咳ばらいをして、己の気持ち(欲望)を吐露したのでした。

「シリカさんやどうも勘違いをしてるので訂正しますが、私、佐藤英雄が求めているのは生身の生きているお嫁さんで、年は18歳から25歳くらいの可愛いか綺麗なお嬢さんを希望しております。性格・スタイルも綺麗な方が良いです。乙女ならも~パーフェクトであります。そこのところをご考慮ください。by英雄。」

と、ドヤ顔でのたまわり胸を張っていた。


それを聞いたシリカさんは「アアッン!!」と思わず声を出しました。

何だろう『残念で可哀想な子なの。』を具現化した状態の40過ぎの男がやると痛いを通り越して

『イラッ』とした感情が芽生えるのは当然であり、

これを聞いたシリカさんは己の器を無視している英雄にかなりの怒りを覚えたようで

顔が般若のごとく豹変し、『#』が額に現れ、繭は逆八の字になりました。


後に英雄は語ったという。

「俺、シリカと結構、やりあったけどあそこまで恐怖を感じたことはなっかた。あん時、生まれて初めてチビッタよ。」と、安場の酒場で数少ない友人に語ったという。


さて、件のシリカさんは超お怒りです。

何言ってんだこのガキ。いつもいつも飲み屋のツケだれが払っていると思っているんだ?

特別奉仕のお店で、お姉さん方のクレームを誰が処理しているとわかって言ってんのか?

器の小さいクソガキが何ほざいてる?

お前が生身の人間を嫁に欲しい?

自分の力量を解っていないのか?

相手の事を理解できるのかよ!

先代様の遺言がなければ、見捨てていたかも知れない。


結婚となれば、人、一人の人生を己の身命にかけて守らなければならない。

このガキはそれが解っているのか?

私の育て方が間違っていたのか?

もう葛藤でしかない、だが英雄の真意も聞かず一方的に見離すのも良くはない、

ここは、今まで甘やかしてきた本人に聞くのが一番だろう。

一度、心と気持ちを落ち着かせ。英雄の本心を聞いてみよう。

それでも遅くはないと判断したシリカは一旦、冷静になり真意を確認することにした。

ホログラフが少女の姿から20代のお姉さんに代わりました。

口調も変わり英雄に問いかる。


「マスター確認するが、何故人生のパートナーを欲する?」

ただ一言、英雄に言葉を投げかける。

その表情はいつになく真面目であり覚悟のある問いかけであった。

そして英雄もその発せられた言葉の意味を理解していた。

いつものダメ人間英雄でなく本当の自分を初めてシリカにぶつけるのであった。


「シリカ。俺はさあガキの頃、親父に拾わて息子になったじゃないか。それこそスラムでクズなことをやっていた俺に親父は手を差し伸べてくれたんだよ。」

一息を付き話は続く。

「ガキの頃の俺はそんなこともつゆ知らず、いつも親父に食って掛かってきたよなあ。」

シリカは黙って英雄の話を聞いている。

「けど、あの時親父が俺の盾になったとき・・・・・。俺はすげえ後悔したよ。こんな俺をだよなんで庇って、親父が死んだのかって。」

シリカも思い出す。前のマスター、英雄の養父が死んだとき。どれだけ苦しかったか、辛かったか。

その時英雄にも辛く当たった。

「この獄潰し!!マスターを返せと!!」と

でも、最後の通信でマスターが私にくれた言葉。

それが今の私の支えとなっている。

「シリカ、ありがとう」ただ一言だけ。

でも私は、私は、悲しさと嬉しさ。複雑な感情が芽生え困惑した。

そして最後の言葉に

「英雄を頼む!」

そう、遺言を言われた。


その時私は複雑な気持ちだった。

その当時、私は英雄が嫌いだった。いつもマスターに悪態をついてる英雄が心底憎かった。

でも、マスターはいつも笑顔で英雄のそれを受け入れ。

本当の我が子のように可愛がっていた。

私はそれが羨ましく、嫉妬をしていた。


でも最後の言葉で私はこの子を母親としてパートナーとして接すれば

マスターの隣にいつもいられる、そう思うことにした。

そうすることで私はAIだが一人の人として存在できる。

それが私の人生、そう思い私は生きてきた。

AIなのに可笑しいね・・・・。と思いながらも私はマスターの思いと歩みながら

英雄の後見人として存在してきた。


今この時、もし英雄がマスターの気持ちを受け止めていたら。

それが聞けたのなら英雄を本当の男としてマスターとして受け止められる。

シリカは願わくばと思い、英雄の言葉を続けて聞いた。


「あん時シリカにも色々言われて、なんでクズの俺が生き残って親父が死んだって思っていたさ。でもよう、俺は親父の最後に見せてくれた笑顔が忘れられないんだよ。なんで死ぬときにあんないい笑顔ができるのかって、ずっと思っていた。」

また一息おいて英雄は続ける。


「それは、この25年俺の心にのしかかっていたんだよ。

この間ただ葛藤して答えが出せなかったんだ。

だけどさっき、お前に嫁一人もって言われたとき、俺は思ったんだ。

親父が俺に残してくれたものを誰かに残さなきゃっ渡さなきゃて。

もし俺が甲斐性があってガキの一人でもできりゃあ。

親父の墓前で「あんたの後継者だぜ。」て言いたいんだ!!」


「もちろん相手に無理強いはしねえ。俺は当てのない宇宙を旅する冒険者だ。」

「だから、こんな俺についてくるっていう。女を探す。それが俺なりの親父への弔いであり、恩返しだと思っている。」

「これからの冒険、まずは俺の嫁探しと親父の志を継ぐ後継者の育成。それが俺の是となるてことさあ。」


英雄は自分の思いをぶつけた。

シリカに向かい合ってぶつけた。

迷いのあった自分に別れを告げて突っ走る。

それが佐藤英雄43才の生きざまとして。





☆☆★★★★☆☆






話を聞いてシリカはいつもの少女姿に戻った。


「はあっ、マスターの気持ちは解ったの。」

「でもどうやってお嫁さんを探すの?今の汎銀河連合の中では宇宙冒険者なんて不安定な仕事に人生をかける女なんてほぼいないの。」

「いても、出会いは難しいの。」


それに対し英雄は答える。

「まだ知られていない未開の惑星があるじゃないか。そこの現地の美少女をGET!するんだ!」

英雄は胸を張り答えた。

本気で言ってる分、たちが悪いとシリカは思った。

広大な宇宙なのでそういった可能性はあるが、その可能性はほぼない。

人類の生存権で見つかることは殆どない。

現在の人類が居住しているのは、コロニーか都市国家レベル、惑星でテラフォーミングされたものナチュラルな人類生存権はほぼない。


それをこの男は素で語っているのである。

さっきまでのシリアスは何だったろうとシリカは思いめまいが襲ってきた。

この安易な考えに改めて己の教育が間違っていたと思い。

私が感動していた全てが台無しだと絶望感に襲われた。

そして一言ひねり出すので精いっぱいだった。


「頑張ってなの。」


最後の最後でやっぱり『残念で可哀想な子なの。』であった。


それからの英雄は必死で生物が生息可能な惑星を必死で探した。

ただ、国家レベルで探しても見つからないものを、

一個人が見つけられるわけもなく。

唯々、無駄な時間が過ぎていくのであった。


シリカさんもこの件に関しては英雄の好きにさせていた。

まあ、英雄がいなくても船は自分がいれば航行に問題はなく。

後は英雄のバイタルチェックさえしていれば問題ないので、ようはほっておいたのである。

そのうち飽きるだろうと。


数日が過ぎ未だに惑星探し継続中の英雄。

シリカさんもこの根性にいささか関しつつも、

無駄に酸素を消費している英雄に声を掛けた。

「マスターの根性は解ったから、いい加減あきらめるの。」

「普通に結婚相談所に行った方が可能性はあるの。」

少しはどこぞの惑星でお相手探しを手伝おうと考えるシリカさんであったが

当の英雄はシリカの気持ちなどお構いなしに言い放った。


「いやじゃ。今の女って擦れていてあざといやつばっかじゃん。俺はビッチじゃダメなの。ヤッパリ心は純心じゃなきゃ。だからこそ擦れていない文明に触れてない田舎娘の方がいいんじゃないか。」


うわあ、クズの発言だわ。ホントどこでどう育て間違えたんだか・・・。

もう情けなくて涙が出てくるわ。

相手にだって選ぶ権利があるのに、そこんところ解ってるのか・・・・。

解ってないんだろうなあ。

迷惑かける前にどこかにポイしちゃおうかな。

そうは思いながらも、老婆心ながら英雄に物申さずにはいられなかった。

「マスター、汎銀河連合法は解ってるの?」

「未開惑星に関する第89条57項にもあるの。」

「非文明国及びそこに住まう住民に関する接触は極力避ける事。」

「また、接触がある場合。その人民に対し全ての責任を負うこと。」

「まだあるけど、今のマスターにそれが出来るとは思わないの。」

「だから、あきらめるの。後で子守唄を歌ってあげるなの。」


それ聞いて英雄君は、

「あきらめらるか!!何が子守唄じゃ!!!ガキ扱いすんじゃねえ!!!」

あ、ヤバッ!!バグが出ちゃう。

とシリカさんは気転?を利かせ。

「マスターどうどうなの。」

とあやしながら。


「そうだ!マスターのお宝映像にシリカの可愛いショットを入れてあげるの。」

とワンクッションを置く。


そして、さわやかな笑顔を振りまきながら、

「それをオカズに今日の夜はレッツショータイムなの。」

と英雄に告げるのであった。


その言葉を聞いた英雄、流石に身内のお宝映像は退くわ。

と思いつつも、新しく『シリカちゃん㊙なの』ホルダーができていたお宝映像に、

ホントにちょっと興味を示しつつ画面を横目に見てコーヒーをすすり片手でフォルダーを

開いて画像をオープンしたのだった。


その動きは余りにも怪しいのだが、英雄にも葛藤する気持ちがあり、

心の気持ちがより動きを怪しくするのであった。


葛藤はしたものの結局は『シリカちゃん㊙なの』ホルダーを開けドキドキしながら、

AIの㊙画像はどんなんだろうとムッツリなスケベ心を出して見たのだが、

見たんだけどねえ、確かに写ってはいたんだよ、

それもパンツ姿のシリカさんが写っていたんだよ、

写っていたんだけどさあ。

ワ○メちゃんパンツなんだよ!!

それに髪型もワカ○ちゃん刈上げカットで写っていたんだよ!!!

さらにパンツはプリントされてたんだけどさ!!!


「ブフー!!!!!」

英雄はコーヒーを思いっきり噴出した!


何故って??


パンツのプリント、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が、絵柄が!!!!!!


親父殿だったんだよ。

それもガッツポーズで親指を立てた爽やか笑顔の親父殿の絵柄が○カメちゃんパンツに

『で~ん。』と構えて、俺の方を見てるんだよ。


何この精神ダメージは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


尊敬する親父を使い「それをオカズに今日の夜はレッツショータイムなの。」と

進めるこのクソAIに流石の英雄も切れて叫んだ。

叫ばずにはいられなかったのだよ!


「な、な、な、な、なんちゅうもんを、なんちゅうもんを見せてくれるんやあああ!!!」

と叫んだ、なんだろう、その叫びは宇宙の果てまで届きそうな勢いなのでしたよ。


そんなアホな漫才中に突如、船内のアラームが響いた!!



「チャンチャカ、チャラチャ、チャンチャン。パフ!」

「チャンチャカ、チャラチャ、チャンチャン。パフ!」



観測システムが緊急お知らせアラームを流したんだけど、

何だろこの気の抜けるようなアラームはといつも思う英雄。

チョイスは親父殿&シリカでありこのアラームに関しては英雄がシリカに別のものに変えるよう指示するを

するのだが、かたくなに拒否され変更を許さないのでそのまま緊急時などこれが流れるのであった。


さらに音声が流れる。

「BPW―96方向のガス上星雲の切れ間に生物生存可能性大星系及び可能性大の惑星存在確認。」

「BPW―96方向のガス上星雲の切れ間に生物生存可能性大星系及び可能性大の惑星存在確認。」

「BPW―96方向のガス上星雲の切れ間に生物生存可能性大星系及び可能性大の惑星存在確認。」


「「へ?」」

シリカ&英雄が間抜けな声を漏らす。


少ししてシリカさんがわなわなと震えだす。

「そんな・・・・、ありえないの。ものすごい偶然なの。」

と一言漏らした。


そして、2人はポカーンと口を開けディスプレイに表示された方向を見て惚けていた。

確かにあり得ないほどの高確率、宝くじが連続して1等○億円が100回連続してあたるくらいの幸運である。


シリカさんが惚けている姿を、見つつ英雄は思った。

何だろう、見つけたのは嬉しいがタイミングが親父の絵柄のワカ○ちゃんパンツを見た後って。

なんか、複雑な心境であったが、とりあえずこのラッキースケベ?に感謝しつつ船を該当座標に向けて発進させるのであった。


「シリカ、BPW―96方向座標PB78の64XΩTU9に向けて発進だ。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


無言のシリカに英雄は再度、命令する。

「オイ!シリカ!BPW―96方向座標PB78の64XΩTU9に向けて発進だ!」


ハッとしたシリカは反射的に答えた。

「解ったのBPW―96方向座標PB78の64XΩTU9に向けて発進なの。」


そして、この船『ルマンド号』は英雄の嫁を見つけるため発進したのでした。

ちなみにこの時、バグは発生しませんでしたなの、チャンチャン。


シリカ&英雄のその時の心境。

『なんか、納得できない。なの。』



また、黒い歴史が1ページ。



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