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SCENE03.5
「裕君、毎朝来てくれるのよ。知らないでしょう」
「え?」
「毎朝毎朝、菜月を迎えに。遅刻寸前まで玄関で待ってるのよ」
「どうして言ってくれなかったの」
「言ったわよ、散々。でも部屋には鍵がかかってるし、菜月は朝は寝てるじゃない」
母の言葉に自分のふがいなさを感じた。
彼は私の為に毎朝来てくれて、放課後もうちへ寄ってから帰るのだ。
私はそんなことも知らずに、二か月も彼に迷惑をかけていた。
「ごめんなさい」
目頭が熱い。
「そうね、申し訳ないと思うなら明日からちゃんと学校へ行きなさい」
母は笑っていた。
「あなたが普通じゃないなんて、誰も知らないし気づかないわ」




