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作者: 悪之文学

森に迷ってしまった。


深い森は私を飲み込む勢いで、静寂で洗礼された空気は裸足の私の足を一層拒ませた。



土の冷たさは地球が私を嫌いになってしまった、その冷たさなんだと勘違いしてしまった。思考も鈍感になって、風のざわめきで森が私を追い詰める気がして精神は衰弱を辿っていく。




不思議、優しくなれる。


曖昧な恐怖心。




立ち止まっては、空を見上げ、歩き出しては生きているかを確かめた。鼓膜に染み付いて脳裏に焼き付いたオルゴールの音色は、この森をぐちゃぐちゃの絵の具で掻き乱したぐらいに歪んで綺麗に見えて…







う、ゲボッ…




吐き出したモノは真っ黒で、見えなくて。



私の中の何かが騒いでは唸り、遠き断末魔を響かせる



森に迷ってから何時間という世界なのに自分自身の身体は衰退の一途を辿っている…



森は時々遠くまでざわめき、風は時々私を嘲笑う




歩き疲れた。


迷い疲れた。



急に眠くなって、家族の夢をみた



幸せそうな夢。

あたたかい夢。

憎むもののない夢。

嫌な世界が存在しない夢。


なにをやってもなにを言ってもみんなが許してくれる夢。


あの子にかわいい赤ちゃんの妹ができた夢。



遊んでも遊んでも死にたいとしか思わない夢。


片目をなくした犬の夢。


白い鳩が大空を飛ぶ夢。


誰かを死ぬまで拷問してた夢。



芋虫が蛹から蝶になった夢。







森には朝の光が差し、遠くの方まで木漏れ日のカーテンがたくさんあった。



鳥や空気の浸透度まで感じるくらいの目覚め。





深く深呼吸をして




私はまた寝る事にした。




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