初日目
地の文が一人称と三人称ごっちゃになってしまいました。
極力直していきたいです。
「あっつい。」
男の独り言が部屋をめぐる。
「あつはなつい。いつから暑くなったっけ?六月?七月?今、八月だからピークかも。」
一人暮らしで独り言を喋る人間は、一人が辛くなってきた証拠である。
男はカバンを投げ捨て、扇風機に近寄り、
「スイッチオン」
強ボタンを押してその場でへたり込む。
時は八月某日、ここ最近では北海道でも真夏日を迎え、例年通りに猛暑となっている。
「北海道って絶対めんどくさい土地だよな。夏は暑いし、冬は寒い。あー、気温が一切変わらない土地ってないかな?日本国内で」
腕をあげて伸びをして、
「まあ、あってもめんどくさいから移住しないけど。さて、メシメシ。よっこいしょっと」
立ち上がって冷蔵庫に向かい、
「ガチャン」
その扉を開ける。
というか、いちいち擬音語しゃべらないと行動出来ないのだろうか。
「うーん」
開けっ放しは電気代の無駄である。と、思ったかどうかはわからないが、「パタン」と閉じて、
「焼きそばでいっか」
空の炊飯ジャーを見ながらそう言った。
――――
「具はピーマンとぶたの切り落としでいいべ」
北海道は牛肉<豚肉の土地である。ピーマンはこの前安く買ったのが余ってたらしい。
「このピーマンデカイよな。俺のぐーぐらいありそう」
実際そこまで大きくは無いもののそこそこ大ぶりなピーマンを縦に2つに切って一言。
「種、取るの、めんどい」
取らないと普通に美味しくないだろう。
「はぁー」
ため息つきながらやることだろうか?
男はわたをとると、水で洗って取り残した種を洗い流す。後で確実に水が詰まるパターンだが、男は見ぬふり、いや、考えぬふりをした。
そのままピーマンを細かく切って…細かく…。
「ざく切り〜」
ヤロウが語尾を伸ばしても可愛くない。
包丁を洗い、水流しして布巾で拭ってそれをしまうと、次は豚肉を適当にとって、
「切らなくていいよね?」
フライパンへイン!
無駄に豪快!
「強火!ファイヤー!」
叫ぶのはいいが油は?
「やばっ、油入れないと」
上からさらっ。
「あんまり入れなくていいっしょ」
この男は所々で方言が入る。
「〜♪〜♪」
肉をほぐしながら炒め、肉の色が全体的に変わると、
「ピーマンどーん」
笑っているセールスマンっぽくピーマンを入れる。
ふと、男は気付く。
「麺は?」
この男以外この部屋には誰もいない。つまり、男が用意していないならば、
「出すのを忘れてた…」
と言うことになる。いそいそと冷蔵庫から麺とソースの素を取り出し、
「どーん。もう一つどーん」
今日は多めにふた袋食べるらしい。
が、ここでも問題発生。
「め、麺がほぐれない」
作り方はよく見るべし。
「あ、水入れるんだった」
自力で思いだした。
「どぱぁ」
蛇口から直接、水を注いだ。
横着ここに極まれり。
「〜♪〜♪」
どう見ても水が多いのだが、男は気にせず炒め続け、ソースの素を入れて均一に炒めていく。こんな所だけ細かい。
「こんなもんか」
ソース焼きそばの完成(?)だ。
――――
最後は皿に盛り付け…
「いっただっきまーす」
…る訳もなく。フライパンから直接食べる。
「熱っうまっピーマンシャキシャキッ」
ピーマンに熱は通っているのか?生で食べても問題はないが。
「肉と麺にソースが絡まってうまっ」
美味しそうに食べているので問題はないのだろう。
「あー、パン買っとけば良かった…。焼きそばパン出来たのに」
と、半分ほど食べた後につぶやく男。
「……」
黙考。
「……」
黙考。
「……」
そろそろ動くか、しゃべってほしい。
「ふた袋分だし、あとは明日にするか」
残して明日の食事にするみたいだ。
「明日は焼きそばパン〜♪」
と、歌いつつ、ラップをフライパンの上から掛けて、
「汗かいた。シャワー」
ヤロウのシャワーシーンなど滅べ。
あとそのまま焼きそばをほっとくと痛むぞ。