8月の雨
8月の雨って、なんかムシムシする・・・
気が付くと、あの河原に立っていた。
君と出会った場所。
そして、君を失った場所。
「ごめん・・・」
目を閉じると、君のこの言葉が、頭の中で何度もリピートされる。
目を閉じ続けると、そこに、川が流れる音が追加される。
僕たちの最初と最後を見届けてくれたこの川に感謝しないと。
次に、風の音が追加される。
いつも僕たちを包んでくれた、この風に、ありがとう。
そして、雨の音が追加された。
お前に感謝することはない。
いつもそうだ・・・
彼女の誕生日に、花束を持っていこうと思ってた。
けど、お前のせいで、花束はビショビショ。
キレイな彼女に、似合わないゴミになってしまった。
彼女と旅行に行くことになった。
けど、お前のせいで、飛行機は飛ばず、
用意してた計画は台無しだ。
彼女に指輪を渡そうと決意したあの日。
落としてしまった指輪を見つけられなかったのは、
お前が強く降りすぎて、流されてしまったからだろう。
いつもそうだ・・・
お前のせいで・・・
でも、許す。
目を開けると、向こう岸に、君が立っている。
雨の中、君が僕に気付いたのを確認し、さっき水たまりで拾った指輪を投げた。
ダイヤもない、サイズも合ってない、ただの丸い金属の輪だった。
キーホルダーか何かのパーツだろう。
でも、お前が運んで来てくれた指輪だ。
君は、目の前に落ちたそれを拾い、僕を見つめる。
僕はそれを確認し、さっき浮かんだ仲直りの言葉を叫んだ。
「結婚しょう!」
短編の第2作目になります。
一応、『僕』を高校生にしようか社会人にしようか迷ったんですが、
書いてるうちに、社会人になりました。
高校生に「結婚しよう!」なんて言われても、
普通にまだ早いですからね・・・
では、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!




