『だーれだ』1-1
退屈な授業はやっと終わり、いつもの学校からの帰り道。
「ふわぁ〜」
自然と出た欠伸。
とぼとぼ歩いていると、ガキ二人が道端で何やらもめていた。
「イヤだって」
一人のガキは、必死に首を振っている。
「平気だよ。行ってみようよ」
もう一人は、そんなガキの腕を引っ張っていた。
「もし、帰れなくなっちゃったらどうするの?」
「大丈夫だって。すぐ逃げればいいだろ」
何かくだらない悪戯でもやらかすのか?
ぐいぐいと腕を引っ張っり引っ張っられながら、ガキ達は何処かへ行ってしまった。
興味のない俺は、そのまま家へ帰宅した。
「なぁ、なぁ、いい話あんだけど」
友達の和喜が、机に突っ伏している俺の前へ顔を出して来た。
「うるせぇ」と言う俺の反抗はお構いなし。
「肝試し行かねぇ?」
そう言いながら、和喜は前の席の椅子に座った。
「行かねぇ」
「沙織ちゃん誘ってるんだぜ」と、和喜の顔はにやにやしていた。
沙織ちゃんは、俺がひそかに気になってる、そんな女の子。ただそれだけ。
「勝手に行けばあ」
別に好きまではいってないし。
「お前も参加者ん中に入ってるから」
俺の選択権は鼻っからなしかよ。だったら聞くな。
「13日の9時、三途公園前集合な」
「三途公園…そこに行くのか?」
俺は勢いよく顔を上げた。
「何その反応。行きたかったの?」
「アホ」
あの場所は…
「みんな揃ったね!!」
和喜は元気がいい。
沙織ちゃんとその友達もいて、俺含めて計4人。