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短編集  作者: 安楽樹
【どこにでもある恋の話】
20/42

【vol.1】1.ごめんね。

彼氏がいる少し年上の女性との、淡い恋の思い出。


1.ごめんね。

2.小さなつむじ風は突然に

3.彼女とレモンチューハイ

4.別れられない僕の別れ

5.弱くてずるい女

6.彼女のいるワンシーン

7.蛍の光、彼女の唇

8.ごめんね。

5/21 「ごめんね。」


「ごめんね。」

彼女はよくそう言う。


新しいバイト先で知り合った、少し年上の彼女。

大人しそうな第一印象と違った、二人の時の無邪気すぎる笑顔は、僕が興味を抱くには充分すぎるほど魅力的だった。

『ロミオとジュリエット効果』なんて分析してる理性とは裏腹に、気が付けば僕は既に惹かれていて。

気が付くと彼女の事を考えていて。


「とにかく、年上はやめとけ。……思いがけない苦労をする事になるから。」

誰かの言葉が耳をかすめた。


狩人を惑わせるアゲハチョウの羽根を持つ彼女。

彼女を捕まえた男は、誰もが逃がさぬよう、篭の中で大事に育てる。

だけど何時の間にか、彼女は篭を抜け出して。

彼女を篭から出してあげたかったのに、何時の間にか僕が篭の中で。


「電話したらだめだよ。……今日はでかけるから。」

「あとメールも送ったらだめ。」

「私とは、会わないほうがいいよ。」

「……貴方が、迷惑するから。」


……。


「ごめんね。」彼女はよくそう言う。


……僕にはそれが、「彼を好きで、ごめんね。」と。

そう聞こえるのだ。


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