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第11話 転生者、初クエストを受ける。


 ノワール「そういえばエリス。ちょっと相談があるんだけど・・・」


 エリス「ん?なぁに?」


 ノワール「最近、一人で転生者を転生させるようになったけど、転生魔法が長すぎていつも怒られちゃうの・・・どうしたらいいかな?」


 ルナ「まぁ!何て恩知らずな転生者達なんでしょう!・・・まぁ、実は私も同じなんですが・・・」


 サン「やっぱみんなそうなのかー、そういう時はみんなどうやって対応しているんだ?」


 ルナ「私は、黙らないと行き先を白亜紀に変えて、恐竜のオヤツにしちゃうわよ!?って黙らせてるわ。」


 ルナは、得意げに言った。


 サン「おいおい、転生を脅しの道具に使っちゃ駄目だろ・・・」


 エリス「あはは。それ、実は私がたまに使う言葉なんだよね・・・ルナがえらく気に入ってて・・・」


 ステラ「もう!エリスちゃん、ルナちゃん、言葉には気を付けなきゃだめよ!?」


 エリス・ルナ「は、はーい・・・」


 サン「これじゃあ、どっちか上司か分かんないなwちなみに私は、じゃあ、一生ここにいれば?って言って、一瞬だけ退室しているわ。そうすると、みんな大人しく言う事を聞くぜ?こないだなんか、泣きだした転生者がいたんだぜw」


 エリス「それ、さいっこう!!www」


 ルナ「それも脅しじゃないですか!」


 ノワール「わ、わたしは、機嫌を直してもらおうと、とにかく謝っています・・・!」


 ノワールは、両手をグッっと握り締めながら言った。


 4人の女神 (かわいい・・・)


 サン「ステラは・・・聞くまでもないな。」


 ステラ「あらあら〜、聞いてくれたっていいのよ?」


 エリス「みんなとっても個性溢れる対処法だけど、一度考え方を変えましょ?そもそも、転生魔法に時間をかけなければいいの!」


 ルナ「それが出来れば苦労しません!転生魔法は魔力も詠唱時間も大量に必要とする大魔法なんですから!」


 ノワール「もしかしてエリスは、詠唱を省略出来るの?」


 エリス「まさか!流石の私でも、詠唱を省略は出来ないわ。だから、転生者と話している時から頭の中で詠唱を初めているわ。」


 4人の女神 (!?)


 サン「す、すげぇ!そんな事考えた事もなかったぜ・・・!考えていたとしても、全く出来る気がしない・・・!」


 ルナ「流石に私達とは女神としての格が違うといったところかしら・・・」


 エリス「あら、そう?魔力量さえあれば、勝くんでも同じ事が出来るんじゃないかしら?なんたって勝くんは、無属性魔法の申し子だし。」


 4人の女神 (ピキッ)


 エリスの発言に4人のプライドは傷つき、やる気に満ち溢れた。


 サン「エリス!!今すぐ習得方法を教えてくれ!私達女神が転生者なんかに後れを取るわけにはいかないんだ!!!」


 ルナ「そうです!勝さんに出来るなら、私達だって出来るに決まっています!!」


 ステラ「流石の私も女神のプライドってものがあるし、このまま黙っている訳にはいかないわ。」


 ノワール「エリス!もちろん特訓に付き合ってくれるよね!?」


 エリスは、4人の女神の迫力に一瞬圧倒されたが、ニヤリと笑って言った。


 エリス「...分かったわ!じゃあまずは、こうやって片方の腕で三角形を空中に描いてちょうだい。次にもう片方の腕で四角形を同時に描くの。それが出来たら、身体強化魔法を同時に5つ発動してみて。もちろん、腕はそのままよ。」


 ステラ「これ、以外と難しいわね・・・」


 ルナ「こんなので本当に出来るようになるのかしら・・・あぁっ!もう片方の腕につられる!」


 ノワール「う、腕が疲れる・・・」


 サン「・・・」


 普段1番よくしゃべるサンだが、よほど悔しかったのか、黙々と練習をしている。


 エリス「うんうん、その調子よ♪それじゃあ、終わったら声を掛けてねぇ〜 。」

 

 そう言ってエリスは、一目散に水晶玉の前に向かった。


 エリス(プププwこれでしばらくは1人でじっくり勝くんをモニタリングできるわ♪)


〜勝のいる世界〜


 タカシ「では、早速薬草採取に行こうか!」


 勝「ちょっと待ってくれ、必要な物があれば、街で買い揃えておきたいんだが・・・」


 タカシ「なぁに、薬草採取に必要な物は植物図鑑くらいだ。それも私達の頭の中に入っている!」


 勝「流石だな。」


 ハヤテ「褒めたって何も出ないぜ?」


 一ノ助右衛門「...フッ」


 勝(うーん、ついでにこの呪いのペンダントも売ってしまいたかったんだが、仕方ない。クエストが終わってからにしよう・・・ )


 クルミ「いってらっしゃいませ~♪」


 そうして勝達は、街から歩いて15分程にある草原に到着した。


 タカシ「さぁ、着いたぞ!ここが薬草の群生地だ!」


 勝(おぉ、ここは視界が広くていいな。これならモンスターが来てもすぐ気付けるだろう。街の反対側は森ばかりで、敵の襲撃に気付きにくい場所だったからな。)


 ハヤテ「この辺りは、薬草以外の食べられる草はほとんど生えていないから、強力なモンスターも滅多に現れない。思う存分採取してくれ!」


 一ノ助右衛門「見張りは拙者がしているから、2人はデスティニーに薬草採取を教えてやってくれ。」


 勝「な、なぁ。デスティニーじゃなくて、出来れば勝って呼んで欲しいんだが・・・」


 一瞬間が空いた後、一ノ助右衛門は無言でピースをした。勝の二つ名をえらく気に入っているらしく、無言で拒否の意思を示した。


 勝(くっ!・・・ エリスめ、覚えていやがれ・・・!)


 タカシ「さて・・・おっ、あったぞ!これが薬草だ。なるべく茎が白くて太い物を選ぶといい。買取金額が上がるぞ。」


 ハヤテ「この葉がトゲトゲしているのは、毒がある偽物だから注意してくれよな!」


 勝(ふむ、見た目はそっくりだが、よく見れば間違えることはなさそうだな。しかし、一つ一つ確認するのは骨が折れるな。鑑定魔法はないのだろうか・・・試してみるか・・・ 鑑定魔法!)


 次の瞬間、勝の視界に当たり一面に生えている植物の名前と効果、品質の良し悪しが表示された。


 勝(すごい!これなら一瞬で採取が終わるぞ!)


 勝「なぁ、今鑑定...」


 勝が鑑定魔法の事を伝えようとしたその時、勝のペンダントが点滅した。


 勝(...ん?これはエリスがやっているのか?何だろう、何かを伝えようとしているのか・・・?) 


 タカシ「どうした?何かあったか?」


 勝「い、いや。何でもない。」


 勝(どうも引っかかる。黙っておくか。)


 早速勝は、鑑定魔法で薬草を探し始めた。


 勝(さてさて、高品質の薬草はあるかなー・・・ん?何か薬草以外にも色々あるな?ドクケシ草・ビックリ茸・ ホロホロイモ・ マジックリーフ。さっき薬草以外ほとんどないって言っていたが・・・ )


 一ノ助右衛門「みんな!10時の方向を見ろ!モンスターだ!」


 全員が一斉に10時の方向を見つめた。数百メートル先から何かがこちらに向かってまっすぐ飛んで来ている。それは、天使のように白くて大きい翼を生やしたクマだった。


 ハヤテ「フ、フライングベアーだぁ!!!」


 勝(この世界のモンスターはクマしかいないのかよ!!)



続く



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