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第10話 転生者、勧誘を受ける。


 マヤ「さて、二つ名も決めた事だし、最後に冒険者ギルドのシステムについて説明だね。ほら、アンタのギルドカードだよ。」


 勝「ああ、ありがとう。」


 勝(よかった、ギルドカードには二つ名は記載されていないようだ。)


 ギルドカードを受け取った直後、カウンターの裏から別の職員が出てきて、マヤの耳元で何かを囁いた。


 マヤ「...分かった、すぐ行く。すまないねぇ、ちょっと急用が出来たから、後のことはこの子にお願いするよ。クルミ、任せたよ!」


 クルミ「はいっ!お任せください!」


 クルミは敬礼のポーズをした。


 マヤ「元気があってよろしい!」


 そう言ってマヤは、小走りでカウンターの裏に行ってしまった。


 勝(この子で大丈夫かな・・・正直、めちゃくちゃ不安なんだが・・・)


 クルミ「あーっ!さては、こいつで大丈夫かなって思っていますね!?」


 勝(しまった、顔に出ていたか・・・?)


 クルミ「フフン、安心して下さい。こう見えて私、入社10年目のベテランなんです!!」


 勝(10年目!?見た目は俺と同い年くらいに見えるが、何歳なんだ・・・?)


 勝「... 余計に不安なんだが・・・」


 クルミ「ふぇーー!?何でですか!?」


 テツ「そりゃあ、いかにも新人ですってムーブかましておきながら、入社10年目って聞いたら、いろんな意味で不安になるさw」


 クルミ「もう!テツさんまで!よ〜し、見てて下さい!今から私がシゴデキな受付嬢だって所、見せてやりますから!!」


 クルミは、自分の頬を両手で叩いて、気合を入れる動作をした。


 クルミ「それでは、冒険者ランクについてご説明いたします。当ギルドでは、冒険者のランクをFからSSで評価しており、勝さんは新人なので、Fランクからのスタートとなります。」


 勝「なるほど、基本的に自分のランクと同じクエストを受ける事になる訳か。どうすれば、ランクが上がるんだ?」


 クルミ「ランク上げには、クエスト達成で得られるポイントが必要になります。必要なポイントは各ランクで20ポイントになっています。採取系は1ポイント、討伐系は2ポイント、護衛系は5ポイントとなっています。ただし、最低1回は討伐系クエストを達成する必要があります。」


 勝「ん?やけに護衛系のポイントが高いな。普通は討伐系が1番高いんじゃないのか?」


 クルミ「実は最も危険とされるのが護衛系クエストなんです。主に貴族や商人の護衛、行方不明者の捜索などが大半を占めます。これらは、非戦闘員を護衛しながら戦闘をしなければならず、何より勝てない相手でも逃亡が許されないため、死亡率が極めて高いからです。」


 勝「逆に言えば、討伐系であれば逃げても罪には問われないわけか。」


 クルミ「その通りです。ただし、計3回失敗すると1ランクダウンとなります。また、自分より高ランクの冒険者がパーティーにいる場合、1ランク上のクエストまで受けられます。」


 勝(ふむふむ、多少であれば高ランク冒険者の助力を得られるんだな。)


 クルミ「説明は以上ですが、ご不明な点などございますか?」


 勝「いいや、よく分かったよ。ありがとう。」


 クルミ「以上、冒険者システムについての説明でした!」


 勝とテツ「おぉー!」


 勝とテツは、少し大げさに拍手をした。


 クルミ「フン!どうですか!?デキる女って感じじゃないですか!?」


 テツ「ああ、たまに致命的なミスをするが、基本的に頼れる受付嬢だぜ!」


 勝(駄目じゃん・・・)


 クルミ「さらにさらに!デスティニー・勝さんの為に、初クエストを見繕っておきましたぁ!!」


 クルミは、カウンターにクエストの依頼書をめんこのように、思いっきり叩きつけた。


 勝とテツ(・・・)


 クルミ「Fランク依頼・薬草の採取です!」


 テツ「...ふむ、いいんじゃないか。初クエストにはもってこいだ。」


 クルミ「もちろん、ソロで受けていただいても構わないんですが、出来れば同行してくれる冒険者がいてくれるといいんですが・・・」


 クルミはテツに目線を移した。


 テツ「悪いな、この後は自分のパーティーでクエストに行く予定なんだ。タイミングが合えば、その時は手伝うよ。」


 勝「そうか、それは残念だ。」


 クルミ「分かりました。え〜っと、今空いている冒険者は・・・」


 クルミは、ギルド内を見渡した。


 ???「そのクエスト、私達が同行しよう・・・!」


 クルミ「あぁっ!あなた方は!!」


 背の高い侍の男、中肉中背の忍者の男と小柄な忍者の少年の組み合わせの3人組が、カウンターまでやって来た。


 テツ「出たな、変態三銃士・・・!」


 忍者の男「フッ、"白の覇者"と呼んでもらいたいものだな。それより、そこにいるデスティニー・ 勝。君は我々が探し求めていたラストピースだ!ぜひ我らがパーティーに加入してもらいたい!」


 勝「急だな・・・クエストを手伝ってくれるのはありがたいが、パーティーの加入は保留にさせてくれないか?」


 忍者の男「いいだろう。では、仮加入という形にしよう。君がEランクに昇格するまでに決めてくれればいい。」


 クルミ「紹介しますね、この方々はDランクパーティーの"白の覇者"。無属性魔法のスペシャリスト達です!」


 テツ「う〜ん、こいつらの個々の実力はBランク、いや、Aランク相当なんだが、パーティーバランスが壊滅的でな・・・俺達のパーティーに何度か引き抜きを試みたんだが断られちまってなぁ。」


 ハヤテ「自己紹介するぜ!俺は"ガンマン"のハヤテ!俺達は一心同体、パーティーがバラバラなんて考えられないぜ!」


 忍者の少年は前のめりになって、勝に自己紹介をした。


 勝(忍者なのにガンマン?名前も相まってややこしいな・・・)


 一ノ助右衛門いちのすけえもん「拙者は、"安全圏"の一ノ助右衛門。タンクをやっている。みんなからはイッチーと呼ばれている。よろしくねっ。」


 侍の男はピースをしながら、静かに自己紹介をした。


 勝(タンク!?どう見てもアタッカーじゃないか!あと、ちょっとおちゃめ!)


 タカシ「フッフッフッ、そして私がリーダーの"絶影"・タカシだ!ちなみに私は、アタッカー、ヒーラー、陽動、指揮官を担当している!」


 忍者の男が得意げに自己紹介をした。


 勝(バランスわるっ!リーダーの役割だけやたら多いけど、大丈夫そ?いや、大丈夫じゃないから俺が勧誘されているのか・・・でも、)


 勝「なぁ、聞く限り、深刻なアタッカー不足のようだけど、だったら俺じゃないほうがよくないか・・・?」


 タカシ「フッフッフッ、君は僅かだが火属性魔法が使えるのだろう?」


 白の覇者達「なら問題ない!!!!」


 勝・テツ・クルミ(えぇ・・・)


〜謁見の間〜


 エリス「へえ、面白くなってきたじゃない♪」


 サン「こりゃあ、確かに面白いな!こんな面白いものを独り占めしてたなんてズルいぞ!」


 エリス「な"っ!!いつの間に!?」


 エリスが一人で勝をモニタリングしていたところに、後ろから4人の女神が急に現れた。


 ステラ「ごめんなさい、実はずっと前から隠れて一緒に見ていたの。」


 ルナ「というか、勝さんの周りには何故こんなにも変人が集まるのかしら?類は友を呼ぶというやつ?」


 ノワール「こ、これからはアタシたちも一緒に見たいなー、なんて。駄目かな?」


 エリス「くっ!...あーー!もう!分かったわよ!好きにすればいいじゃない!!」


 4人の女神「イェーイ!」


 4人の女神はハイタッチをして喜んだ。対照的に、エリスは歯ぎしりをしながら悔しそうにした。



続く


 


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