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俺の超能力(カップラーメン)の出番だな!

 「おお!!」

 「錦木さんが出るならもう勝利確定だ!!」

 「お!大将のお出ましか! 俺たちからは俺様、ミルジが出るぜ!」

 「ミルジ。相手はたかが人間だ。瞬殺するんじゃなくて徐々に苦しみを与えて殺せ。」


 どうやら向こうはミルジが出るらしい。まぁミルトはあの傷だ。おそらく、ギリギリ内臓が出てないだけで、かなりの深さの傷だろう。まったく、それでなんであんな普通に喋れるんだ。獣人ってのはやっぱり怖いな。俺には作戦がある。二人まとめてかかって来てもらおう。


 「いや、二人まとめてかかって来い。」


 俺は風呂敷から塩味のカップラーメンを二つ取り出し、歩き始めた。はっきりと言うが、おれはもっぱら体術や武器で戦う気はない。勝てるわけがないしね。


 「あ?たかが人間のくせに舐めてんじゃねえぞ!」

 「落ち着けミルジ。こういう時は後悔させてやるのが一番いいんだ。分かった。俺とミルジの二人でいくぞ。」

 「おう。かかって来い。」

 「んじゃ行くよ! よーい、はじめ!」


 クルーシアの合図と共に戦いが始まった。ミルトとミルジが勢いよく俺に向かって飛び出して来た。俺は二人が飛び出してくるのを予測し、自分の足元に勢いよくカップラーメンを置いた。


 「ん? なんだこれ?」

 「???」


 ミルトとミルジが立ち止まり、二人揃って首を傾げた。本来、アニメや漫画で考え事をしている場面でよく見られる、首を傾げるシーンは、現実ではなかなか見られないが、犬の場合は違う。犬は物をよく観察しようとした時、見知らぬ物を発見した時、首を傾げる。


 「な、なんだこれ、異常なくらいいい匂いがするぞ…?」

 「おすわり。」


 俺は二人に向かって、犬の躾けの定番の「おすわり」を指示した。


 「だっ、誰がてめえのいう事なんて聞くか!」

 「なんだ?食いたくないのか?」


 俺は二人を嘲笑うような顔で挑発した。ミルトとミルジは体がプルプルと震えている。口は開いたままで、舌を出し、よだれがポタポタと地面に落ちる。


 「もう一度言う。おすわり。」

 「ワン!」

 「お、おい兄弟! なんてはしたない声出してるんだ!」


 あの冷静で知的な感じのミルトが、「ワン!」と鳴いた。よし、ミルトには食べさせてあげよう。


 「よし、ミルトは食べていいぞ。」

 「ワンッ!」


 俺の許可を得て、ミルトは地面に置いたカップラーメンを犬食いで食う。


 「…な、なんだこれ…。美味すぎる…。この世にこんな美味い物があったなんて…。」


 ミルトはその後も尻尾を振りながらカップラーメンにがっつく。それを横目にミルジはよだれを流しながら羨ましそうに、悔しそうに見ていた。


 「どうした?ミルジ。おすわりすれば食べれるんだぞ?」

 「ぐっ…だ、誰がこんな恥ずかしい姿…見せ………ワンッ!」


 ミルジも「ワンッ!」と鳴き、ミルト同様、カップラーメンを食べ始める。


 「嘘だろ…俺たちの村以外にこんな美味い物が…。」

 「どうだ?参ったか? 参ったって負けを認めたらまだ食えるぞ。味の種類もまだある。」


 俺はカップラーメンの入った風呂敷を指さし、ミルトとミルジを誘惑する。二人の足元には空のカップラーメン。カップラーメンの容器の底には穴。あまりにも美味しすぎてがっつきすぎたんだろう。


 「…参った。魔王の手がかりを教える。」





 【残りのカップラーメン数】 324個

 「カップラーメン1年分が当たった俺、貧困異世界で無双する」を読んでくださり、ありがとうございます。


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