神々しいおじいさんが現れた!
「あれ、なんだ? …痛い? …………痛い痛い痛い痛い痛い。」
「へへへ。 残念だったな。 手に握りしめてる物は頂くぜ。」
どうやら俺は後ろから刃物で刺されたらしい。 その場に倒れ込んでしまった。 嫌な事に刺しっぱなしではなく、包丁をすでに抜いている為、血が溢れ出す。
「……って! てめぇが当たったの二等の十万円分の商品券じゃねぇのかよ! くそ!」
犯人は俺の大切なカップラーメン一年分の引換券を踏みつけ始める。
「て、てめぇ、それは俺の、俺の人生の幸せの一部だ…ぐふっ…ぞ。」
どうやら傷は内臓までいってるみたいだ。 口からも血がだんだんと溢れ出す。 物凄く喋りづらい。 俺は引換券を取り戻す為、力を振り絞って犯人の足首を掴んで、なんとか足をどかそうとした。
「ははっ! なんだよ! 命よりもカップラーメンが大事なのかよ笑」
「かふぇせ、かえぇせ!」
「しつけえな!」
犯人が片足をあげ、俺の顔を蹴ろうとする。 今だ!
「ドガッ」
俺は犯人の軸足に頭突きをした。 その瞬間、犯人はバランスを崩し、よろけた。 そして、引換券を取り戻した。 もうどこにもいかないように、両手でしっかりと握りしめた。
「てめぇ…。 もう許さねえ。」
俺は滅多刺しにされ、さらに血が溢れ出す。
犯人のその言葉以降、だんだんと意識が遠のく。そして俺の周りに広がっていく血の景色。 あぁ、これ全部俺の血か。 死ぬんだ。
死ぬ事を悟った瞬間、真っ白な世界に切り替わり、広がっていた血が緑色に変わった。 え? どういう事? よくある異世界転生ってやつ?!
緑色に変わった血が、光を発しながら俺の体に戻っていく。 そしてその瞬間、目の前に神々しいおじいさんが現れた!
【残りのカップラーメン数】 0個(365個入荷予定)
「カップラーメン1年分が当たった俺、貧困異世界で無双する」を読んでくださり、ありがとうございます。
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