俺の超能力(カップラーメン)の出番だな!
「へっ、3分なら待ってやる。 どんな能力か見せてみろ!」
「了解。 クルーシア! カップラーメンの出番だ!」
「わがった!」
クルーシアがカレー味のカップラーメンを取り出し、俺がお湯を注ぐ。
「て、てめぇら一体何してるんだ? …なんか嗅いだことのない良い匂いがするぞ…?」
「た、確かに。 色が茶色で、スパイシーな匂いがする…。」
ゴリラの獣人二人が、俺とクルーシアの作業を覗き見てきた。 さっきまでの敵意はなんだったんだ? 興味のある物には寄ってくる。 やっぱ根本的な部分は動物なんだな。
「まぁまぁ、待ってなって。」
ーーーー三分後
「ほら、食え。」
カレーの色濃い旨味の匂いが、立ち上る湯気と一緒に周りを満たす。
「な、なんだ、お前の能力は食い物を提供するって能力か? 変な能力……ズルズルズルッ」
やっぱ動物だ。 自分の理性を抑えられずに喋ってる途中で麺を口に運んだ。 さぁ、どうだ? まぁ結果は分かってるけどね。
「ウホッ! なんだこれ! ウホッ! 美味すぎる!!」
「ウホウホ!」
よしよし。 まぁ、だろうな。 カレー味のカップラーメンのスープは少しとろみがあって、本格的なカレーを食べ手に意識させる。
「ふーんだ!」
俺の後ろでクルーシアが腰に手を当てて誇らしげにしていた。 まぁ、傍から見たらこのゴリラの獣人を手懐けてるみたいなもんだよな。 さて、これで第一段階終了。 次は第二段階だ。
「さて、お前ら。 ひとつ聞こう。」
「?」
「これを毎日食べたいか。 それとも魔王の下に戻って一生これを食べれなくなるか。 どっちがいい。」
「!」
ゴリラの獣人二人があわあわと慌て始める。 二人の手元にはすでに空になったカップラーメンの容器。
「まぁ、これを毎日食べるって事はこの村の家を元通りにしてもらって、魔王側じゃなくて俺たち側につくって事だ。 どうする?」
「兄貴どうする? こんな美味しい物、二度と食べられないなんて嫌だよ。 でも魔王様を裏切りたくもないよ。」
「弟よ。 確かに俺も同意見だ。 でも俺達の前にいる人は、紛れもない超能力者だ。」
ゴリラの獣人二人が後ろを向き、ヒソヒソと会話をし始める。 何この二人、兄弟だったのかよ。 っていうか、超能力者認定されてるし。 これは超能力なのか?
「俺たち兄弟が負けたんだ。 きっとこの国の王になる方だ。 …いや、この十二個の島の王になる可能性だってある! 行こう。この人の下に!」
「うん!」
お、どうやら結論が出たみたいだな。
「さて、どうする?」
「俺たち二人をあなたの仲間に入れてください!」
きたー! 作戦成功! こんな化け物がいれば大分安全になるだろう。 だが、まずはやってもらうことをやってもらわないとな。
【残りのカップラーメン数】 326個
「カップラーメン1年分が当たった俺、貧困異世界で無双する」を読んでくださり、ありがとうございます。
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